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April 27, 2010

腹八分目が長生きの秘訣(Eat Less, Live Long)

20100427_eat_less_live_long厚労省が「ちょっと小太りが長生きの秘訣」みたいなことを言っていたが、これが日本国のローカルルールだとしても、グローバルルールでは、「腹八分目が長生きの秘訣」だ。

私自身は、長く生きることが人生の幸せだとは思っていないのだが、世の中は、長生きが“絶対幸福”であるかのような雰囲気である。この長生きというのは、グローバルな意味では“病気をせず健康で”という意味が含まれているのだが、日本のローカルルールでは“とりあえず、時間的な長さ”ということらしい。

この Science April 16 2010, Vol.328 で論じられているように、『「腹八分目が長生きの秘訣」は、長期の食事制限から起こり得るマイナスの効果をも考慮して判断されるべきである』には賛成である。

っていうか、この影響を最も受けやすいのが、世界広しといえども日本人に他ならないからからだ。

雰囲気に流されやすい、非科学的なことを信じやすい、だまされやすい、お人よし、信じたらわき目も振らない、、、日本人にぴったりの言葉が、とめどなく出てくる。

Science April 16 2010, Vol.328

モデル生物によるいくつかの従来研究では、栄養不良にならない程度の食事制限や、突然変異もしくは薬剤による栄養シグナル伝達経路 (nutrient-sensing pathways) の操作によって寿命を延ばし、加齢性疾患の影響を減らすことができることが示されてきた。

Fontanaたちは (p.321)、栄養シグナル伝達経路が老化の支配要因となっている筋道について報告している。

酵母、寄生虫、げっ歯類、そして霊長類に関する研究によって、栄養シグナル伝達経路は進化を通じて維持されてきたことが示されている。

霊長類の食事制限効果に関するデータは非常に限られているが、人間について言えば、食事制限が癌・心臓血管疾患・糖尿病を防ぐ効果があるとしても、その良否は長期の食事制限から起こり得るマイナスの効果をも考慮して判断されるべきである。

人間の場合も食事制限と薬剤による老化防止経路の調節が寿命を延ばし、病気を減少させることができるのか、更なる研究が望まれる。

Extending Healthy Life Span-From Yeast to Humans
p. 321-326.


健康産業が発信する嘘八百の情報に、ころっと騙される。そして、『腹八分目』とは『とりあえず痩せればいい』と、短絡的に思い込む。。。。

○○が、体に良いって聞けば、争うように、貪るように、買いあさり、食べつくす。
 
 
 
話は変わるが、私の“人生の師匠”が、先日、『ゴルフのラウンド中に、世の中の人が嘘八百に騙されない為の絶妙な例え話を思いついた』と昼飯を食いながら話してくれた。

早い話が、、、、“コラーゲンを食べて関節が治る”“コラーゲン食べて、お肌、もっちもち”たぐいのインチキを暴く方法なのだが、、、信じてる人に「ハゲの人が髪の毛を食べても、髪は生えてこないでしょう?」と言えばばっちりだろう!と。

---膝をポンと打った---

師匠のクリニックは、本日も患者さんで溢れ返っている。
 
 
閑話休題。日本人を騙すのは簡単だ。「・・・・これが、源義経が隠れた洞窟です。その証拠に、○○○でしょ?」とやればいい。

私がやるんだったら、、、、、こうだ。

生物界では厳しい環境に適応して生き延びるために、生殖方法を進化させてきた。すなわち、単細胞生物が分裂で同胞を増やすといういわゆる子孫を残す方法から、性を雌雄に分けて、生殖細胞の変異を多様性の獲得の方向に利用した、というものだ。

メスは SEX した後、精子を体内に保存しておき、また、別の固体との SEX で得た精子と競争させ、より強い子孫を残すことを可能にしている。

より優れた子を持ちたいのなら、あなたは自分の奥さんに、より多くの優れた男性と SEX させることをお勧めする。自分の精子が、より過酷な環境で競争することで、とりわけ優れた精子が受精する事になるからである。

Science April 16 2010, Vol.328 に、優れた子孫を残すための戦略を取る生物の報告があった。

精子の戦い(Battle of the Sperm)

Science April 16 2010, Vol.328

昆虫類では、複数のオスとの交尾によって得られた精子はメスの中で蓄積され、保持される。

そして、メスの生殖器内で卵子を巡り、精子による競争が行われる、と考えられている。

Manierたちは (p.354,3月18日号電子版)、遺伝子導入によって緑と赤の蛍光タンパク質でタグ付けされたミバエの精子の、メスのミバエの生殖器内部での挙動を可視化した。

精子はメスの貯蔵器官内部で予想されていたよりも活発な動きを示していた。

特に、最も間近に交尾したオスの精子が、その前に交尾したオスの精子を排除しようとする挙動が活発であった。

しかしながら、精子の生存能力は長期間の保存に耐えうる安定性を維持している。

それぞれのオスの精子はメスの卵子を受精させるために同じような競争能力を有している。

Resolving Mechanisms of Competitive Fertilization Success in Drosophila melanogaster
p. 354-357.


さて、あなたは、私のこの“嘘の理論展開”が見抜けましたか?大事なことを言ってないんですけど、それがわかりますか?(Science の論文は本物です)

間違っても、奥さんと他の男を SEX させてはいけませんよ!!
 
 
 
さて、、、、、

奥さんが他の男と SEX する事は、何故?イケナイのだろう?生物界では、つがいであってもオスは多数のメスと、メスは多数のオスと交尾し、子孫を残すのが普通だ。一夫一婦制は、まれにはいるが。何故、ヒトは一夫一婦制を守るのだろう??

道徳的じゃない?
  じゃ、道徳って何?

裏切られた感じ?
愛情が消え、憎しみがつのる?
  肉体と精神は別物じゃないの?

男はイイケド、女はイケナイ?
  ジェンダーフリーの人達からボコられるよ?

それが、伝統だから。
  ごもっとも。

それが、家庭円満の秘訣だから。
  ごもっとも。


誰か、明快な答えを用意してくれないかなぁ?「ハゲに髪の毛を食べさせても意味が無い」くらい、痛快なヤツ!!

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Comments

パートナー以外とのセックスがだめとなったのは、ひとりひとりが一応、人権として平等になった とき、弱者が自己の遺伝子を守るための防御として作った!ここで言う弱者とはもちろんセックスの相手を獲得できない者のことで、金がない、権力がない、イケメンじゃない美女じゃないとか。弱者を守るための理論では?

Posted by: RISKY9 | April 30, 2010 at 06:28 PM

なるほど、、、でも、弱者が弱者のために作ったってのは、ちょっと腑に落ちないなぁ!負け犬の遠吠えみたいで、相手にされないような・・・。それより、強者、勝者の側が「弱者を守るために」ってことなら、嫌味っぽくって、イイ感じで、リアリティあるよ。

Posted by: マリンパ | April 30, 2010 at 09:41 PM

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