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『心底惚れた女が、実は男だった』って感じ?

20081011_bi_sexalおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!

癌という病気が“怖い”のは『転移するからだ』の“転移”は、細胞が“癌”になってから別の臓器に移動して、そこで成長するってプロセスを辿る事だとばっかり思っていた。

しかし、この論文によると、癌になる前から、たとえば、肝臓の細胞は肺に“移り住んで”いて、後から“癌”になる事もあると。

ひぇ~~~~~、これって、『心底惚れた女が、実は男だった』って感じじゃない!?

ガンの転移を再考する(Rethinking Cancer Metastasis)

Science September 26 2008, Vol.321

ほとんどの人のガンによる死亡は、原発性のガン細胞が体の新しい部位に伝播して拡散する転移によって起きる。

途中の血流中を生き延び、新規の組織の環境に定着することを含め、転移性細胞は複雑な一連の段階をうまく切り抜けなければならないので、転移はガンの進行における遅い段階で起きるとこれまで考えられていた。

Podsypanina たち(p. 1841,8月28日オンライン出版、および、Kleinによる展望記事参照)によると、転移プロセスの開始は以前考えられていたよりもっと前かららしい。

正常なマウスの乳房細胞を遺伝子操作して、ガン遺伝子発現のタイミングを実験的に制御し、これをマウスの血流中に注入した。

驚いたことにガン遺伝子の発現がないときは、正常な乳房細胞は肺まで移動し最大16週間生存するが、ガン遺伝子が活性化するまでは攻撃的成長を開始しなかった。

このように腫瘍転移は、播種性の正常な (前悪性)細胞から発生し、遺伝的な変化が悪性になるまで臨床的には黙ってじっと待っている。

Seeding and Propagation of Untransformed Mouse Mammary Cells in the Lung
p. 1841-1844.
CANCER: The Metastasis Cascade
p. 1785-1787.


この論文では言ってないけど、もしかしたら、“転移”って現象は正常な生命現象かもしれない。だとすると、、、、、転移をターゲットにすると、ホメオ・スタシスに影響が出ちゃう・・・・。(例えば、組織固有の幹細胞の出自を探ると・・・・)

以前は、転移という現象は“癌細胞固有”だと考えられていたから、コレをターゲットにしようとしたんだけど、これが生命現象の一部だとすると副作用は・・・・・。


そんなことより、固形癌の外科切除、転移予防の為のリンパ節の郭清手術する“意義”の問題になるのは、確実だよね?

念のため、きれいさっぱり切り取っても、1年後、遠隔転移が発見されちゃう人ってのは、既に、原発癌の手術をした時点で、転移していた・・・・・・って事にもなるんだからね。。。これじゃ、リンパ節の郭清手術は意味がなくなっちゃう。

原発性の癌が“病気”として見つかった時点で、ルーツを同じにする別の細胞が既に他の臓器に移り住んでいて、それがわかりやすい“ブドウ糖の取り込みの増大”などの性質を示していないんだから、存在の確認しようも無い・・・・・・。
 
 
 
アリストテレス以来の演繹による理論的推論(※『すべての人間は死ぬ。ソクラテスは人間である。ゆえにソクラテスは死ぬ』が有名)に異を唱えたベーコンは、今日の科学者が用いる帰納的研究法を考えたといわれている。そのベーコンの言葉を引用すると、、、

 自然の微妙なところは、感覚や理解力の微妙さの何倍も微妙である。そのため、人々がかまけている、もっともらしい省察、思弁、虚飾は、その目的から全く離れ、結局、それを観察する人がいない。

 三段論法は、科学の第一原理には適用されないし、中間の公理に適用しても無駄で、自然の微妙なところとは比べ物にならない。それは命題に従うことを求めるが、物事を束縛はしない。

 三段論法は命題からなり、命題は単語からなり、単語は概念の記号である。ゆえに、概念そのもの(それがことの根本)が混乱していて、事実から拙速に抽出されたものであれば、その上に乗る構造物には確固としたところがありえなくなる。希望が持てるとすれば、真の帰納にしかない。


う~ん、帰納的な臨床試験を行っている筈が、最初の『LDL-C は悪者だ』が“事実から拙速に抽出されたもの”である事を、そろそろ認め、詭弁的な三段論法が現代の大規模臨床試験だと認めなければならなくなるようなお言葉ですねぇ!!(笑)という余談は置いといて・・・

で、対照的に、トルストイは軽率な一般化を戒め、人間は小さな現象を、大きな現象の原因と見てしまうのではないかと、、、

 「戦争があったときは必ず、強大な軍事指導者がいた。革命があったときは必ず、大指導者がいた」と歴史は言う。「実際は、強大な軍事指導者がいた時は必ず戦争があった」と、人間の理性は答える。しかし、それは将軍が戦争の原因だと証明はしないし、戦争にいたる要因が、一人の人物の個人的な活動に見つかるということの証明にもならない。

 農民は春の終わりに冷たい風が吹くのは、楢木のつぼみが開くからで、実際、楢の花が咲く春には冷たい風が吹くという。しかし、楢の花が咲く頃に冷たい風が吹く原因は知らないが、冷たい風の原因が楢の花が咲く事だという農民の意見には賛成できない。風の強さは、つぼみが影響する範囲外だからだ。


戦争と軍事指導者のくだりは、ロマンチストな小説家が、もっともらしい省察、思弁、虚飾を駆使し作り上げる歴史観そのものだ。膨大な資料にあたったとしても、見たいものしか見なきゃ単なる推論と同じだし。現代日本では、この類の小説を読んだ庶民が、“戦争と軍事指導者の関係”が“楢の花が咲く事と冷たい風の関係”と同じ事だと認識できていないところに問題がある訳で。。。。しかし、小説はそうじゃなきゃ面白くないし、、、私はアレキサンダー大王萌え~でカエサル萌ぇ~でアレキサンダー大王の家庭教師だったアリストテレス好きで・・・って、まぁ、それは置いといて・・・・


自然科学における真理の追求には、演繹による理論的推論がベターなのか、帰納法によるのがベターなのかは、私にわからないけど、一旦、思い込んで、尚且つ、それを疑う余地が無い時代に築かれたものは、「その上に乗る構造物には確固としたところがありえなくなる」ハズなんだけど、、、、権威筋が跋扈する世界にあっては、白いものも黒いと言わざるを得ないだろうなぁ・・・・・。

今回は、『転移は悪性化する前から起きている』という事実を取り上げたのだが、似たようなケースは“医学”には“レア”ではないように思われる。それは、生命現象以前に、まず病気というフィルターを通して生命活動を見てきた事によって“誤認”したまま、砂上の楼閣を築いてきたってことなんだろう。

基礎科学(医学にとっては生物学)の重要性が痛感されるところだ。

日本人のノーベル賞受賞だけに浮かれずに、国家予算からの基礎研究への割当増を真剣に考え直さなきゃならないんじゃないのかな。

さらに言えば、一般教養としての理系科目(数学的な思考法などは特に)は義務教育課程で徹底した方が良いと思われる。本来なら企業倫理として問われる問題が“食の安全”なったり、“食の安全”としなければならない問題が政治問題にされる、などという頓珍漢な方向に向かうマスコミに煽動されない為にもね。


最後に、大衆の無知と強大なマスコミの影響力による“喜劇?悲劇?”を示して終わりにする。良くご存知のアメリカでの話。

NASA の月面着陸を信じない人たちが NASA の陰謀説を流布し、テレビ会社 FOX に信じさせ、それに関するテレビ番組を放映させたのは有名な話だ。番組ではアメリカ人の20%の人が月に行ってないと信じていると。全てスタジオで撮影されたんだと。それによって、大衆は、NASA 陰謀説に大きく傾いていく。

その根拠となったのが、ニール・アームストロングの影が二つ映った写真だ。

月面なら、光源は太陽だけの筈なのに、もう一つの光源がある。それはスタジオのライトに違いない。写真には、星も、着陸時の噴射によるクレーターも映っておらず、空気が無いのにはためく星条旗が映っている・・・・と。

月面では光源が二つ以上あってもおかしくない事(地球や月の表面は光をよく反射する)、写真に星が写ってないのは、露出時間の問題である事、月面の土はほんの数センチしか堆積しておらず、確認できるほどのクレーターが出来なくてもおかしくない事、空気が無くても竿が揺れる事で旗がはためく事・・・を理解できる人には、NASA の陰謀説の番組は“茶番”にか見えないのだが、月面では光源が二つ以上あってもおかしくない事を知らなければ、番組に洗脳されるのは必至だろう。

今回は、みのもんたやあるある大辞典などと固有名詞は出さないが(あっ、言っちゃった!)、こんな番組が多いんだから、NASA の陰謀説を信じている人は、自分の理系の素養を見直したほうがいいかもよ!!

それと、NASA の陰謀説の根拠を話して納得するかどうかを、あなたの周りで試してみるのも一興かも。(あなたに対する周りの人の評価に変化が生じても、私には責任はありませんが)

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