2012年5月 9日 (水)

CETP阻害薬dalcetrapibの臨床第Ⅲ相試験、有効性確認できず中止に

マリンパの雑感】にも書いたけど、“CETP阻害薬”は、医薬品としては、、、、ダメだね。使い物にならない。開発途中の物質についても、結果は同様だと思うよ。

さて、動脈硬化性疾患予防ガイドラインが5年ぶりに改訂され、2012年版?になるとのこと。内容は?ってことで、みてみたら、、、、

従来通り、個の医療のための指標というよりは、疫学的な数値をまとめたい・・・、そんな内容ですねぇ。。。

驚いたのは、エゼチミブ併用まで推奨に入れたところ。

薮睨みだけど、エゼチミブを“効く”って考えている人達は“CETP阻害薬”も同様に“効く”って考えてるんだろうなぁ・・・・・。

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2012年4月 2日 (月)

運動が健康に良い理由、遺伝子がエピジェネティックに変化

「運動が体に良い」という表現も、なかり曖昧で抽象的だ。それに、人間以外の動物は「健康のために運動などしない」し。個人についても、どのような体質の人がどれくらいの運動をすると“体に良い”のかさえ、示されていない。

でも、「座位時間増加で全死亡リスク上昇、身体活動時間に関係なく」みたいな報告もあるので、現代人の仕事(特にデスクワーク)を主体にした生活習慣は、絶対的に運動量が足りてないのだろう。どんな運動でも「やらないよりは良い」というデータが出るんだからね。

ということで、運動の影響を調べてわかった事が、DNA の脱メチル化だった。

で、私が驚いたのは、メチル化、脱メチル化が、かなりフレキシブルにダイナミックに行われていること。。。

メチル化は、いわゆる、インプリンティングの機序だから、なかなか起きにくい、一度起こったら変化しづらい現象だとのイメージがあったからだ。

遺伝子の発現制御は、教科書に書いてある機序以外に、もっともっと、ダイナミックなものなのだろう。裏を返せば、遺伝子治療などというものは、まだまだ、制御は難しいし、がん薬物治療の成果が芳しくない理由も、ここにあるのだろう。

またまた、裏を返せば、運動をやっていれば、がんにもなりづらい・・・・・。これ以上は運命・・・・・だよなぁ、どう考えても。

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2012年3月16日 (金)

11 年の追跡調査による前立腺癌死亡率

これは、結局、検査なんかしないで、症状が出たら(オシッコが出ないとか)治療を開始すればいいんじゃないって事を支持する結果なのかな?

前立腺がんで死ななくっても、他の原因で死ぬわけだから、前立腺がんであることを知らされて、びくびくしながら生きていくくらいなら、検査なんか受けなくってもいいよ・・・・って考えを支持する結果なのかな?

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2012年3月 3日 (土)

妊娠中のニコチン代替療法パッチの無作為化試験

いやはや、なんとも、“脱力”する試験ですねぇ・・・。きっと、日本でも、同じなんでしょうねぇ・・・。でも、救われるのは、「有害な妊娠・分娩転帰の発生率は両群で同程度であった」ってところ?

まぁ、喫煙者と非喫煙者を比べれば、有害な妊娠・分娩転帰の発生率は、有意差をもって、非喫煙者の“勝ち”となるんでしょうけど、、、、タバコを吸っちゃったもんはしょうがない、、、脳の遺伝的な要因だったり、生活環境だったり、、いろいろな因子によって、喫煙するべくして喫煙する人たちなんだろうから、それをコントロール出来るって考えることから、発想を逆転しなくっちゃならない。

じゃ、、、、どうするよ?

ニコチンパッチは、「有害な妊娠・分娩転帰の発生率は両群で同程度であった」ってのは、意味があるのかも。

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2011年12月16日 (金)

高リスクの永続性心房細動に対するドロネダロン

ドロネダロン (Dronedarone) は多経路遮断剤で、カルシウム、カリウム、ナトリウム経路に効果があり、アミオダロンの構造類似体である。。。。

さらに、「レートコントロール目的に加えるかも」ということらしい。

しかし、、、、、

心臓血管研究所所長(付属病院長兼務)の山下武志氏は、「“心臓電気生理学が必須”の“信仰”を棄却しないと抗不整脈薬の開発は難しい」と MT Pro で解説している。

現代医学の限界だね。

で、この手の限界は、実は、非常に多い。説明出来てるようで、実は、ほとんどの病気で、その病態の10%もわかっていない・・・・というのが真実。

これが、医学と医療の大きな垣根。


より、いっそうの研究が必要なのは言うまでもない。解明されれば、不必要な服薬はしないですむし、医療費抑制にも繋がる。

あるいは、、、、

どうせわかんないんだったら、もういいよ。今がそんなに困ってるわけでもないし。研究に大金を投入しても、解明できる保証は無いんでしょ?

との価値観もある。

この多様性も、医療業界の問題を複雑にする。どちらが、患者さん(国民)にとって幸せか?

どちらにしても、自分の価値観を相手に“押し付ける人”は嫌いです。私。

薬剤師の世界では、まじめ?にやる人ほど、自分の価値観を押し付ける人が多い。こういう薬剤師は、大嫌いです。私(まじめにやってるのに、お馬鹿さんだったりするから、始末が悪いし)。

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強化スタチン療法を受けている高比重リポ蛋白コレステロール低値の患者に対するナイアシン

あれや、これや、エゼチミブのエビデンスも添えて、決定的になったのかな?

コレステロールの善玉・悪玉説が。

さてさて、もうそろそろ、心血管疾患へのコレステロールの影響を、違う表現方法に転換していったほうがよさそうだね。

この道の大家たちは、どのように、過去に主張していた事との整合性をとるのか、みのもだなぁ。スタチン系は、確かに効果はあるんだから症例を選べば、OK。でも、コレステロール値を服薬の根拠にしておいたほうが、売り上げは上がるんだよねぇ~。

いやだねぇ~。

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2011年12月13日 (火)

アテローム体積の減少についてrosuvastatinとatorvastatinは同等に有効

今回の Journal Watch Online で取り上げている記事には、私が NEJM で論文を読んだ時に感じた事と同じようなコメンテーターのコメントがあったので、ここに取り上げた次第である。

私が感じたそれは、、、

スタチン強化療法では、確かにアテローム性動脈硬化病変のプラーク体積が減少するのだが、、、、、、

なんと、その容積での変化は、“たった1%”の減少である。
そして、驚くべきことに、全員が減少するわけじゃなくって、こんなに薬漬けにされているのに、約6割の人しか効果が現れない・・・・。

さらに、その“プラーク体積の減少”そのものが、コレステロール値(LDL)の減少とは“関係ない”と。

しかも、アテローム性動脈硬化病変のプラーク体積が減少することが、ほんとに、心筋梗塞などの発症予防になるのか???って。

コメンテーターは、「より多くのデータが入手できるまで、これらの薬物療法の一方を他方よりも選ぶ理由はない」といっているが、、、

私は、もっと過激に「スタチン系の薬を選択するべきなのか?」と、、、言ってみようかな(ひどい副作用は無いんだから医療費の財源が潤沢なら問題ない。消費税30%位にしてみる?野田さん)。

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2011年12月 2日 (金)

移植片対宿主病におけるインターロイキン-2 と制御性 T 細胞

こりゃまたスゴイことやるもんだ。

まかり間違えば、免疫応答を悪いほうへ助長しかねない“両刃の剣=IL-2”を投与するなんて・・・・。

でも、“低用量”ってのがミソなんだろうなぁ。

つくづく、ホメオスタシスは“ブレーキを踏みつつアクセルを踏む”状態なんだねぇ!!人体実験でしか得られない成果だよな。でも、万人にその投与量で“行ける”かどうかはわかんないけどね。

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2011年11月25日 (金)

反復性喘鳴がみられる就学前児に対するブデソニドの連日投与と間欠投与

「薬はひどくなった時に使う」。。。。歴史的には当たり前のことがいつのまにか、「(知的な行為として?)予防するために使う」となった。

そもそも、予防って何だろう?

喘息の場合は、発作を起こさないようにすること(結果的に死を免れること)だ。

逆に言えば、漫然と使うことに利益があるのか?という疑問はあるのが当然だ。なのに、、、、、。


たぶん、こんなことなんだろう。

「(病気は)恐いし、つらいよなぁ」
「えっ、お前、知らないの?馬鹿だねぇ、遅れてるねぇ、今じゃ、薬で予防したり治したりできるんだよ!」と。ある時期、こんな会話が庶民の間で交わされたのは間違いない。

そして、、、、薬を使う=知的な生活を送っている・・・・・みたいな。。。。

洋の東西を問わず、薬好きな人の意識の下には、こんな“感情”があるのではないだろうか。

時代が下った現在、やっと、、、薬を使い続けることに疑問を呈する行為に“違和感”がなくなったのかもしれない。

でも、本来なら、全ての疾患で“吟味”されてもいいと思うんだけど、まだまだ、現代人は“その域”には到達してないみたいだ(コレステロール値が高いこと自体は病気じゃないってこと)。

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2011年11月19日 (土)

レスベラトロールによる影響は“遺伝”する?

昔、人生50年、現在人生80年、、、、、これって、もしかしたら、医療の進歩じゃなくって、生活環境の変化による、エビジェネティックな影響が遺伝しているのかも。。。

この“ヒストンH3のリジン4(H3K4)をトリメチル化する”ってのは、生体内(自然現象としては)では、ASH-2複合体ってヤツの役割らしいんだけど、こいつを“チョイチョイ”っと弄って、働きを弱めてやると、、、、すなわち、メチル化しないようにしてやると、、、、寿命が延びる。

この現象は、レスベラトロールでお馴染み(?)のサーチュイン遺伝子の働きと同じで、遺伝子を包んでいるたんぱく質(クロマチン構造)のメチル化で説明される。


で、、、この現象、その個体だけの話じゃなくって、子孫に遺伝することがわかった。

エピジェネティックな変化が遺伝することは、前から知られていたから別に驚くことは無いんだけど、“生活環境から得られた長寿”が遺伝するって聞いたら、興味を示す人はおおいんじゃないかな?


でも、ヒストンH3のリジン4がメチル化されるのを防ぐ“生活環境”って一体なんだろう?

っていうか、そもそも、生活環境がこのクロマチン部位のメチル化に影響するんだろうか?

だとすると、もしかしたら、レスベラトロールによる影響も“遺伝”するのかも!?

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2011年10月28日 (金)

体重減少に対するホルモンの適応の長期持続

恐るべし、ホメオスタシスっ!!

“あるべき状態”を執拗なまでに維持したがる“性(さが)”は、見上げた根性である・・・・。


ただし、本論文には注意すべきところが一つアル。『糖尿病ではない、過体重または肥満の患者 50 例』ってところだ。

過体重または肥満であって糖尿病に罹患してない人の場合、その状態がその人にとってベストな状態であり、保つべき状態である可能性を考慮しなくっちゃなるまい。。そうであれば、恒常性を維持しようとする事には意義あるワケだから。

過体重または肥満で糖尿病に罹患する人の場合は、もしかしたら、その状態は維持するに値しない“恒常な状態”かもしれないから、結果は変わるかもしれないよっ!!!

ってこと。

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2011年10月15日 (土)

舌下投与の錠剤が花粉アレルギーの症状を緩和する

日本じゃ、昔っから漆職人は漆を舐め舐め仕事してた・・・・・。

ってな、オーラルトレランスの話だよな、これ、Oralair。日本じゃ、遺伝子組み換え“米”なんてのを作り始めてるけど、“遺伝子組み換え”にアレルギーを示す人たちからのバッシングで、日の目をみないそうだ。

Oralair なら、漆職人の漆舐め舐めみたいなもんなんだから、さっさと、導入してもよさそうなもんだが、、、、、私の想像も出来ない“反対意見”もあるのかもしれないね。

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2011年10月 1日 (土)

禁煙に対するシチシンのプラセボ対照試験

ほほぉ~、飲む禁煙補助剤、バレニクリンみたいじゃんって思ったら、それもそのはず、なんでも、バレニクリンは、60年代後半に旧ソ連の医師が“禁煙”に試みたシチシンと呼ばれる物質を基にして、作られたとか。。。

で、そのシチシン、【内科開業医のお勉強日記】さんでは、2006年 08月 15日に取り上げていて(サスガっ)、シチシンについて、詳しく調べていらっしゃる。私は、今回の NEJM ではじめて知ったのだ。

で、そのシチシン、ラバーナム(laburnum)やmescal bean、ルーピンなど、クララという植物に含まれるらしい。いったい、ラバーナムやルーピン、クララっていうのは、どんな植物なんだろう??

栽培して、葉っぱにして、これでタバコを作ったら、タバコが嫌いになる・・・かも??

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2011年9月21日 (水)

H1N1インフルエンザの治療を目的とした漢方薬

薬の作用機序は、「一つの薬に一つ」と感じている医療従事者も多いと思う。いや、尋ねれば、「いや、そんなことはない、10個くらいの異なった機序はあるんじゃない」と答えるかもしれないが、感覚的には「一つ」、、そういうものなのではないだろうか?

評者も、その視点でコメントしている。

結局、漢方薬に対する西洋薬という言葉(英語圏にあるのかどうか知らないけれど)の影響かもしれない。

まぁ、そんなことはどうでもいいのだが、基礎研究では作用機構は重要だけど、臨床では作用機構は、ハッキリ言って、まったく重要ではない。「効けばイイ」のだ。

現に、oseltamivir と 漢方薬で、効果に差はない。差が無いのに、作用機構の話をしてもナンセンスではないだろうか?

というより、oseltamivir ですら、幾つもの生面現象に介入しているはず。単に、シアル酸アナログとしてだけではなく、また、シアル酸アナログとしてでも、さまざまな生理機構に影響を与えているはず。インフルエンザウイルスに対する作用だけじゃなくってね。

薬は、臨床的には"総合的な作用の結果"として"求める効果"を実現しているかどうかだけを見ればいいんじゃないのかな?

個人的は、最近、漢方薬を見直しているので、こういう印象をもった次第です。あと、アメリカとカナダで生薬のマオウが禁止薬物だったとは、、、、知らなかったなぁ。。

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2011年8月30日 (火)

『寝酒でぐっすり眠れる』は大嘘だった

うすうすは、気づいていたことである。経験的に。軽くお酒を飲むと、寝付けない。中程度に飲むと、夜中に目が覚める。。。。などなど。

それと、、、独身時代で昔の話だが、、、、友人の一人にぷー太郎薬剤師がいて、何日間か、私のところで寝泊りの世話してやったことがあった。毎日、飲んだくれるくせに、朝6時には起床している。。。すっかり生活を乱された私は、彼を追い出したのだが、、、、

「あいつ、3時間くらいしか眠らないで、どうして平気なんだ?」と疑問に思ったことがあった。なんのことはない、副交感神経活動の抑制の結果だったんだね。


・・・・ということは、ナポレオンもこれなのか?

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«急性冠症候群発症後のアピキサバンと抗血小板療法の併用