January 06, 2012

「進化論」覆す証拠発見? 獲得形質はRNAにより遺伝する

20120106_bmwi8いやー!こりゃ、スゲぇ~!!!

こういうのって、目が醒めますぇ!正月ボケの脳みそに、ガツンと一撃って感じ?

というわけで、その内容は、、、

『キリンは高い所の葉を食べようとして首が長くなった』みたいな獲得形質遺伝のメカニズムは、過去に一度、ダーウィンの進化論にコテンパンにされたわけだが、DNA や クロマチン(DNAと蛋白質の複合体)の化学修飾が関与するエピジェネティックなメカニズムによる遺伝子発現制御が“遺伝する”ことがわかり、獲得形質の遺伝方式が見直されつつあった、昨今、さらに、強烈なパンチが繰り出された・・・っもの。

それは、他でもない、RNA干渉現象が遺伝するってもので、生殖細胞を通して次世代に伝わるRNA分子そのものに依存するらしい。

米コロンビア大学、線虫で証明

 米コロンビア大学の研究チームは、獲得形質が遺伝することを示す直接的な証拠を世界に先駆けて発見したと、Cell(2011; 147: 1248-1256)に報告した。ダーウィンの進化論によって否定されたと思われていたラマルクによる獲得形質の遺伝が、必ずしも起こりえないことではないと示されたことになる。


再評価されつつある獲得形質の遺伝

 獲得形質は生物個体が一生の間に獲得した新しい能力や特徴のことで、ラマルクは、キリンの首に代表されるような一代で少しだけ伸びた首という獲得形質が、次世代に遺伝することを繰り返した結果、少しずつ長くなって、あの長い首を進化させたのだという進化理論を提唱した。

 しかし、ランダムな突然変異と適者生存の原理により、同様にキリンの長い首を説明できたダーウィンの進化論が、遺伝子の本体やその遺伝メカニズムといった物理的根拠を得ることにより市民権を獲得したのに対し、そのメカニズムを説明し切れなかったラマルクの説は、生物学の表舞台からの降板を余儀なくされたのだった。

 ところが近年、獲得形質が遺伝したと考えられる事例が多く報告されるようになり(関連記事)、そのメカニズムを含む議論が再燃しつつあった。そんな中、コロンビア大学のOded Rechavi氏らは、獲得形質遺伝のメカニズムが、ダーウィン進化論もよりどころとする従来の遺伝のメカニズムでもなければ、近年脚光を浴びているDNAやクロマチン(DNAと蛋白質の複合体)の化学修飾が関与するエピジェネティックなメカニズムでもない、生殖細胞を通して次世代に伝わるRNA分子そのものにあることを突き止めたのだ。


RNA干渉によって獲得した形質は遺伝するか

 Rechavi氏らは、獲得形質を与えるものとして、ウイルスなどに感染した際、その複製過程で生じる2本鎖RNAを検知、分解し、感染を阻止するための防御機構であるRNA干渉という現象に着目した。RNA干渉による感染防御は通常、ヒトの免疫のように、そのウイルスに感染した個体一代限りの獲得形質と考えられるからだ。ただし、後の世代でウイルスに感染すれば、再びこのRNA干渉による感染防御が成立するため、初代で一度感染させ、獲得形質を成立させた後は、後の世代で再び新たに成立させない工夫が必要だった。それが、RNA干渉に必要な遺伝子を欠損していて、RNA干渉を行えない突然変異体とかけ合わせるという方法だった。

 Flock Houseウイルスと呼ばれる線虫のウイルス遺伝子を組み込んだトランスジェニック線虫を使って、熱ショックプロモータによりウイルス遺伝子を強制発現させると、RNA干渉が発動し、ウイルス遺伝子の増幅は阻止され、獲得形質が成立する。次にこの個体を、RNA干渉に必要な遺伝子を欠損している突然変異体とかけ合わせると、通常であればメンデルの法則にのっとって熱ショックによりウイルス遺伝子が増幅する個体が、孫世代では1:3の割合で出現するはずだった。なぜなら、これらの個体は、既にRNA干渉に必要な遺伝子を完全に失っているので、ウイルス遺伝子の増幅を阻止できないはずだからだ。

 しかし、ウイルス遺伝子を増幅できた個体は、ひ孫世代まで全く現れなかった。さらに一部の個体では、100世代目でも現れなかったという。したがって、これらの個体におけるウイルス遺伝子の増幅阻止能力は、継代の途中で新たに獲得したものではなく、初代で得た獲得形質が世代を経て継承されたものだと考えられるのだ。


獲得形質として遺伝するRNA分子

 Rechavi氏らは、さらに線虫の遺伝学を駆使した入念な対照実験と、遺伝的背景や世代の異なる線虫が持つ短鎖RNAの配列解読を行った。その結果、初代の個体におけるRNA干渉の過程で生成され、最終的にウイルス遺伝子の増幅を阻害するウイルス遺伝子特異的短鎖RNAが、RNA干渉を行えない突然変異体との継代の間でも、希釈されることなく維持されていることを明らかにした。また、この短鎖RNAの維持に線虫自身が持つ内在性のRNA依存性RNA合成酵素が必要なことも分かった。

 これらの結果から、初代の個体で獲得した形質は、短鎖RNA分子という形で次世代へと伝えられた可能性が示唆されたことになる。

 今回、明らかになったRNAによる獲得形質の遺伝というメカニズムが、RNA干渉によって得られた獲得形質にだけ成り立つもので、あらゆる獲得形質の遺伝を説明することはできないのではないのかという疑問は、当然あるだろう。しかし、研究の流れに一定の方向性を与えた画期的な成果であることは間違いないと思われる。


と、正月早々、朝から驚いてたわけだが、、、、なんか、コレ、知ってたような・・・・デジャブ?って感じがしたんで、過去ログ漁ってみたら、、、『マスト細胞と移植拒絶』で、【RNAiの影響は子々孫々まで続く ( Nature August 24, 2006 )】を引用している。2006年にも、RNAi 現象は“遺伝する”って報告されている。デジャブじゃなかった・・・。

というわけで、この Nature August 24, 2006 号の論文執筆者が誰だろう?って気になってさがしたんだけど、、Natuer のサイトでは、「Error: page not found」ってなっちゃう。。。。

まぁ、いいか!こんな大事な発見だから、こっちのも、米コロンビア大学の人たちによるものだったのかもしれないね。


さて、獲得形質がラマルクの考え出した方法で遺伝するなら、鳶が鷹を産むってのも、トンビを“虎の穴”で特訓すれば“偶然に依存せず”可能になるのかもしれないね。。。。。なんて“曲解”を持ち出し、「わが子を“石川遼”にしたいなら、若いうち(子供を作る前)からトレーニングすべし」みたいな“指南”で稼ごうとする如何わしい連中が発生しかねないな。

このような“能力”は獲得形質と言えなくはないけど、精子と卵子に詰め込める情報じゃないので、騙されないようにね。


話は変わって、このお正月休みも、妻の実家がある長野県上田市に行っていた。妻を実家に置いて、娘と私は、今年も、菅平高原スキー場まで出向いたのだが・・・・スキー場の“氷点下6度”に娘は「手が痛い」と半べそをかいている。

他の(地元らしき)子供たちは、平気な顔してるのに。。。。


で、思った。

上田生まれの妻は、少なくとも私より“寒さ”に強いはずである。でも、いつも「さむい、さむい」と言っている。

寒さに強いのは、環境への適応であって、獲得形質じゃないみたいだ。

いや、獲得形質だったとしても、遺伝しないみたいだ。だって、信州上田の人だった両親から生まれたにもかかわらず、妻は寒さに弱い。妻が寒さに強かったなら、上田の両親から遺伝したって言い切れるんだけどね。で、娘が弱いのは、“千葉県産”の私の“血を引いた”って。

こう考えると、“環境への適応した状態”と“獲得形質”を区別するのって難しい。さらに、それが遺伝するのかどうかとなると・・・・・・。

たとえば、東大卒の家には東大に入る子供が多い・・・みたいなのって、“成績が良い事”が遺伝なのか?はたまた、環境によるものなのか?だって、東大卒の家庭なら、経済的な事も含めてそれなりの“環境”にあるわけで、その子供たちが成績がよくなるってのは“環境への適応”って解釈もできるわけで・・・・・。


もし、RNAi 現象が、世代を経て“成績”になんらかの影響を及ぼす事がわかったら、それはそれは、一大産業になるわけで・・・・・。


なんてね・・・・・お後がよろしいようで。

p.s.昨年末、ミッションインポッシブルを観にいったんだけど、トム・クルーズが BMW i8 でムンバイ市内を走り回るシーンに痺れてしまった。映画で使われているって知らなかったんだけど、見た瞬間、「あっ、ビーエムの電気自動車ジャン」って、すぐ、わかった。

BMW が BMW らしい所って、たぶん、キドニーグリルなんじゃないかな!?あれで、確信したもん。これって、獲得形質の遺伝みたいなもの?

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December 28, 2011

sipuleucel-T 療法を叩き台に“本音”トークしようぜ!

20111228_sipuleucel_t今回は“sipuleucel-T療法”をネタにして、“よき人”たちの“いい子ちゃん発言”にゆるぅ~く、関節技を極めたいと思う次第である。

えぇ~、まず、“sipuleucel-T療法”だけど、簡単に言うと、前立腺がんの治療法の一つである。前立腺がん患者から樹状細胞をとり、2日間の培養時に前立腺のacid phosphatase (PAP)抗原を添加し、患者自身に戻すという“免疫療法”のことだ。

FDA が認可したこの治療により、4ヶ月の延命が可能だということだ。その詳細な最新のPhase III治験"IMPACT"の結果は、ココ をご覧下され。


で、今回、ネタにしたいのは、その治療費の話。1コースで9万3千ドル(日本円で約744万円)だとさ。

日本で、前立腺がんで死ぬ人が、全て、この治療を受けて、4ヶ月の延命をしたとする。2010年は、約1万人の方が前立腺がんで亡くなったそうだ。この治療の適応がどうのこうのと、、だから、全員がこの治療を受けるわけじゃないとかの細かい話は抜きにして、ざっと、700億円が懸かる計算になる。

そのような高額な治療は、なにも、前立腺がんの専売特許じゃなくって、メラノーマに対する抗体医薬イピリムマブなどは、1コース分(3週間に1回、計4回投与)で12万ドル(日本円で約960万円)もする。他にも、高額な“抗がん療法”は存在するし。


さて、ここで、取り上げたいのが、混合診療。

混合診療を反対する人たちの“言い分”が、「貧富の差により、高度医療を受ける機会が失われるのは、許しがたい」と。

そして、この後は、少し声が小さくなって「全額、保険でカバー出来るのが一番・・・・」と。
 
 
さて、現在、日本で混合診療が出来ると仮定して、700万だ、900万だとお金をかけて4ヶ月の延命をした人がいたとして、お金がなくって、この治療が出来なかった人が、出来た人を『羨ましい』『お金持ちだけズルイ』とか感じるだろうか??


---私は、感じないけど---


市民団体なども「所得格差が医療格差に繋がるのはケシカラン」と言うけど、どのような疾患と治療法を想定しているのか、はっきりと言っている団体はない。誰に頼まれたのか知らないけれど、イメージ戦略みたいな事を、行っているようにみえる。

一体、誰が、こんなイメージ戦略を・・・・・。


今年、最後に驚いたのは、Nature 480, 7378 (Dec 2011) に掲載された記事。

以下、引用。

Nature 480, 7378 (Dec 2011)

Highlights: 医学:がんの能動的免疫療法の成功

モノクローナル抗体やドナーT細胞を使う受動的免疫療法は一部のがんに有効だが、特異的で持続的な抗腫瘍免疫の能動的活性化については、広範な研究が行われているにもかかわらず、なかなか成果が上がっていない。

しかし最近になって、前立腺がんに対する自家細胞免疫療法であるsipuleucel-T療法と転移性黒色腫の一部に対する抗がん剤イピリムマブが開発され、この2つの成功は、がん免疫療法に対する関心を復活させることになった。

今週号の総説は、ワクチン、T細胞免疫修飾因子などの能動的免疫刺激因子についての最近の研究を総括したもので、これらは分子標的治療とともに、今後数年内にがんの治療法につながると考えられる。

Review Article p.480


私は、個人的に“免疫学”が大好きで、継続して“勉強”していることもあり、このようなニュースには、学術的に大変興味がある。私が、この業界で仕事を続けていくモチベーションとも言ってよい、知的好奇心を満たしてくれる“成果”が、分子生物学とともに、この分野には溢れているからだ。

しかし、現実の“問題点”として、医療経済的な問題は、避けて通れない。

医療の業界には、いわゆる“隠れ蓑”が多くある。「人の命にはかえられない」ってヤツだ。最後に“一言”口に出せば、正義の味方になれる。言った者勝ち。

そういう意味で、この Nature 480, 7378 (Dec 2011) の記事は、『これらは分子標的治療とともに、今後数年内にがんの治療法につながると考えられる』としてるんだけど、お金には、言及していない。そして、「お金の問題じゃないだろ?人の命が懸かってるんだから」って、暗に言っているようで、“ズルイ”って感じちゃったのだ。(っていうか、医薬品を開発する側になれなかった、やっかみかも。そっちの人間になりたかったから)


ところで、引用中の“イピリムマブ Ipilimumab”だけど、どんなモノかというと、、、

似たようなモノに、トレメリムマブ Tremelimumab ってのもあり、いずれもCTLA-4の阻害作用のある完全ヒト型モノクローナル抗体薬である。

副作用(有害反応)を知る為にも、、、、

---これを知ると、お金持ちを羨ましく感じなくなりそうだから---

これが作用する仕組みを、簡単に紹介しておく。

・免疫応答において、T細胞活性化にはTCR・CD3複合体を介する抗原特異的なシグナルによる刺激と、インテグリンを介する抗原非特異的なシグナルによる共刺激(副刺激)が必要である。

・この共刺激というのが、T細胞表面のCD28と、単球・マクロファージ(抗原提示細胞)表面に発現されるB7(CD80)との結合のことである。

・この二つの刺激によりT細胞は活性化され。

・一方、活性化されたT細胞の表面には、CD152(CTLA-4)が発現され、単球・マクロファージ表面のB7と結合すると、T細胞の活性化は抑制される。

・すなわち、免疫応答においてCD152(CTLA-4)は、T細胞の活性化を抑制する負のシグナルを伝達する分子である。

・B7にはB7-1(CD80)、B7-2(CD86)が区別され、CD152(CTLA-4)の関与するインテグリン/抗原提示細胞のリガンドの相互作用にはCD152(CTLA-4)/CD80と、CD152(CTLA-4)/CD86とがある。


がん細胞を殺傷する目的にはT細胞の活性化が必要であり、その目的には活性化を抑制するCD152(CTLA-4)を阻害することは理に適っていることになるわけだ。

だから、免疫応答を収束させる鍵穴として働く CTLA-4 に結合して、B7 の働きを阻害することにより、活性化T細胞の作用が延長し、抗腫瘍免疫が高まる。。。と。


まぁ、ここまでなら、「いい事だらけジャン」って感じるかもしれないけど、この“仕組み”は、時間軸区に沿って免疫応答を終わらせる働きや、過剰な“免疫応答=炎症反応”を抑制する働きをも担っているわけで。

免疫力は、高ければ高いほど良いわけじゃないのは、この生理現象(生命現象)を人間に都合が良い面から“免疫”と呼び、都合の悪い面を“アレルギー、アナフィラキシー”などと呼んでいることからもわかることだと思う。

同じ現象なので、都合のよい面だけを“増幅”するわけにはいかず、悪い面も“助長”される。

ようするに、、非特異的に、免疫力をあげる結果、自己免疫疾患が発症したり、免疫が関与する炎症反応が酷くなるす・・・ってこと。

また、CTLA-4の作用を修飾する薬剤としては、CTLA-4を阻害するのではなく、逆に刺激するアバタセプトなどもある。

刺激するのだから、免疫は抑制される。アレルギーや免疫機序による炎症性疾患(関節リウマチなどなど)に効くわけだが、逆に、がんに対する免疫機構は弱くなるわけだ。

アバタセプトは完全ヒト型可溶性融合蛋白であり、T細胞活性化に必要なCD80およびCD86 リガンドにCTLA-4類似体として高親和性をもって結合し、CD80やCD86によるT細胞活性化作用を抑える作用をする。


以上は、想定される副作用(有害反応)を知る上での基礎知識ってわけだが、実際(臨床試験)いは、副作用としては下痢と発疹が見られたそうだ。

確かに、他の抗がん剤と比べれば、臨床的な副作用は少ないだろうけど・・・・高っ!


さて、興味のない人には、つまらない話を続けてもしょうがないので、最後に、“毒”が役に立つ話でもして、終わりにしようと思う。


あっ、“本音”トークに関しては、私は、混合診療は大賛成。700万円、900万円を自腹を切って、延命する人たちは、どうぞ、やってください。決して、羨ましがったり、妬んだり、「金持ちが、高度な医療を受けられるのはケシカラン」なんて、心底、思いませんから。

だから、“平等”な保険料は勘弁してくださいっ!!!(ここが一番大事。使った分だけ翌年の保険料は上げて欲しいのだ。消費税あげるなんて、もってのほかだよ)


で、毒が役に立つのは、放射線の話のところでも、さんざん、したんだけど、、、、これも、「現代医学でわかっていることなんて、ほんの少しなんだから、寿命や病気は運命だと思っ受け入れなさい」ってことに通じるのかなぁ・・・。医療は、その人が、納得して満足出来ればOKであって、他人の“結果”と比べて、悩むのは、、、つまんないよ!と。

免疫のために正しく食べる(Eating Right for Immunity)

Science December 16 2011, Vol.334

環境要因は免疫組織の発生を方向づけるとともに、免疫応答も制御する。

Kiss たち(p. 1561, および、10月27日号電子版を参照)は、アリール炭化水素受容体(AhR:芳香族炭化水素受容体)の天然リガンドが、リンパ濾胞と呼ばれる腸の特定化した免疫構造の生後発達と、腸内細菌のシトロバクター(Citrobacter rodentium)に対する防御的応答に重要であることを示した。

食事の中のAhRリガンドは生得的リンパ球プールのサイズを制御しており、AhRリガンドを欠いた食事を与えられたマウスは、腸のリンパ濾胞の発達に障害を持つ。

Natural Aryl Hydrocarbon Receptor Ligands Control Organogenesis of Intestinal Lymphoid Follicles


ようするに、免疫を都合よく働かせるためには、食事が大事って話なんだけど、、、、有害物は拒絶・・・なんてことをしていると、結果は逆で、免疫は弱るかも・・・って話(例によって深読み=薮にらみモード)。

まったの話、AhRのリガンドっていえば、環境ホルモンとして知られるダイオキシン類なんかも、該当するんだからね。まっ、ダイオキシンは代謝を受けにくく体内に蓄積する性質があるから、過剰なタンパク質産生を引き起こすことで、毒性を発現しちゃうらしいけど。

その他の AhRのリガンドで怖いのは、テトラクロロジベンゾジオキシンポリ塩化ビフェニル、ベンゾピレンなんかもあるよ!


まっ、このように「善かれ」とおもってした行為が、逆に悪かったなんてのは、よくあることで、、、どんなに健康的な生活を送ってても“がん”になる時ゃなるし、、、浅知恵で思い悩むより、健康には“能天気が一番”ってことかな?

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December 26, 2011

減量には、非商業的プログラムより商業的プログラムのほうが効果的かつ安価である

20111226_dietこれは、非常に“ヤバイ”結果である。

何がヤバイって、、、クリニックや薬局での“高額”なダイエットカウンセリングより、より“安価”な民間の怪しげなダイエットプログラムの方が、より効果が高いってんだから、やばくないわきゃないでしょ?(“怪しげ”ってのは、我輩の下衆の勘ぐりなんだけどね)

で、論文には、その理由も書いてあるんだけど、要するに「豚もおだてりゃ木に登る」ってことみたいだ。

いや、こんな“酷い”表現はしてなくて、「週1回の講習会などのインセンティブを提供し、これが動機付けと行動の変化を継続させるため、効果が得られた」としている。

結局、理路整然と、理屈を並べ立てて、理解させ、実行させる・・・・みたいな、アドヒアランスを向上させる努力は、こと、ダイエットに関しては、効果が薄い・・・・。


もしかしたら、こりゃ、“禁煙プログラム”にもいえるんじゃないのかな?

禁煙だって、クリニックで「理路整然と、理屈を並べ立てて、理解させ、実行させる・・・・」みたいなことをやってるわけだけど、綺麗なおねえさんに、「禁煙成功したら、一回、デートしてあげる」みたいなインセンティブの方が、絶対、効きそうだ。

あっ!なにも、論文にある“商業的プログラム”で行う“週1回の講習会”が、綺麗なおねえさんによる“誘惑”だといってるわけじゃないんだけどね。でも、「痩せればモテますよ」とか言ってるんじゃないのかなぁ?そう、豚を煽てるのと一緒だよね。

No. 11-1215-01
For Losing Weight, Commercial Programs Are Better and Cheaper Than Noncommercial Programs
2011 December 15

非商業的減量プログラムと商業的減量プログラムを比較すると、どのような結果となるだろうか?英国の過体重または肥満の成人740人を組み入れ、8つの群に割り付けたランダム化試験では、以下の12週間にわたるさまざまなプログラムの相対的有効性が比較された:一般診療における1対1のカウンセリング、薬局での1対1のカウンセリング、グループでの食事療法プログラム、および3種類の商業的プログラム(Rosemary Conley、Slimming World、およびWeight Watchers)。もう1つのグループの参加者は、これらの6つのプログラムの中から選択できるようになっていた。対照群の各参加者は、フィットネスセンターの無料券12枚を支給された。

12週後、すべてのプログラムで体重の平均値が有意に減少した(一般診療による1.4kgからWeight Watchersによる4.4kgまでの範囲)。1年後、一般診療と薬局における1対1のカウンセリングを除くすべてのプログラムで、体重が有意に減少した(0.7~3.5kgの範囲)。しかし、1年後、体重の平均値が対照群に比べて有意に減少(2.5kg)したのは、Weight Watchers群のみであった。費用は、一般診療と薬局でのカウンセリングプログラムがもっとも高額であり、商業的プログラムがもっとも安価であった。

コメント:この試験では、商業的減量プログラムは非商業的減量プログラムより安価であり、効果的であった(Weight Watchersはとくに効果があった)。エディトリアル執筆者は、商業的プログラムは集中的な支援(週1回の講習会における「集団の力」など)とインセンティブを提供し、これが動機付けと行動の変化を継続させるため、効果が得られたと推測している。Weight Watchersがプライマリケア診療による減量に関するアドバイスより有効であったもう1つの試験の結果(日本語版Journal Watch Sep 22 2011)と、この試験の結果が同様であったことは、注目に値する。

— Paul S. Mueller, MD, MPH, FACP

Published inJournal Watch General MedicineDecember 15, 2011

CITATION(S):

Jolly K et al. Comparison of range of commercial or primary care led weight reduction programmes with minimal intervention control for weight loss in obesity: Lighten Up randomised controlled trial.BMJ2011 Nov 3; 343:d6500. (http://dx.doi.org/10.1136/bmj.d6500)
Original article(Subscription may be required)
Medline abstract(Free)

Truby H and Bonham M. What makes a weight loss programme successful?BMJ2011 Nov 3; 343:d6629. (http://dx.doi.org/10.1136/bmj.d6629)
Original article(Subscription may be required)
Medline abstract(Free)


いつも、この時期、独断と偏見による“今年一番のトピックス”みたいなのを書いてるんだけど、これは、そういうのじゃないんだけど、結構、シビれた内容だよね。

でも、こういうのって、実は、よくあることだと思う。

なんたって、患者はいわゆる「B層」が多いからね。それに、こっち(医療提供側)にいる人間はアドヒアランスなんて言葉を編み出すくらいだから、全ての病人は、自分の病気に真面目に真摯に取り組むって思っているし、それが“良い事”だと思い込んでいる。

でも、違うんだよねぇ。もちろん、すぐさま生死に関わる疾患や低QOLの疾患なら、“大真面目”にもなるだろうけど、そうじゃない場合は、結構、温度差は激しい。

で、私は、どんな時にも、医療提供側の価値観が絶対善であって、患者を従わせようと躍起になり(そのくせ、患者主体のアドヒアランスなんて言葉を使いまわし)、そのことを仲間同士で褒め称えあっている“薬剤師”の存在に辟易しているわけで・・・・、こういうのが薬剤師には多くって、、、、(患者の予後とあんたの頑張りとは独立した事象である)、、、、、おっと、脱線・・・。

医療提供側にいるごく一部の「A層」によって躍らされる「B層」ともいえるこのような薬剤師も、また、自分たちが「B層」だとは認識していないワケで、、、、、(こういう構造、中世では“地獄”の恐ろしさを強調して、信じるものは救われるとしたんだけど、、、、似てる)

このようにして、社会はまわっている。。。んですねぇ。


で、結局、理屈じゃなくって、結果がよければ、すべてよしって所に行き着く。

だって、物質に質量がある理由もわかんないのに、アレコレ考えても・・・ねぇ。私には、ヒッグス粒子を持ち出して、理由を説明されても、チンプンカンプンですから。

というわけで、来年も、「深い関わりを欲する人には深く、浅くを望む人には浅く・・・・」を心がけて仕事することにします。(こういうことを全く理解していないで、“個別指導”と称し画一的な業務を押し付ける“B層の役人=支払い側”にも、一言、苦言を呈したいところなんだけど、まぁ、今日は忙しいから、いいや)

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December 19, 2011

スタチン投与で成人入院患者のインフルエンザ死亡が4割減

20111219_a_multistate_study1巷で評判?のスタチン系薬の抗インフルエンザ作用なんだけど、う~む、これがすごい事なのか、どうも、俺にはよくわからない。

ということで、自分なりに、大雑把な理解を試みた。

詳細は、ここで。このニュースは、MT Pro でも取り上げていたので、日本語での数値は、ここから引用した(二つの図)。

オッズ比、多変量ロジスティック回帰モデル、95%CI、あたりのキーワードが出てくると、とたんに、読む気もしなくなっちゃう人も多いと思うけど、私も“そのくち”なので、厳密な統計学的な意味での、理解には至りません(そんな事を、期待してもらっても困ります)。

あくまでも、“雰囲気”をつかむ為の試みなので、その辺、ヨロシク!!


20111219_a_multistate_study2まず、解析の対象になった人は、約 3,000人 。この人たちは、そもそも、インフルエンザで重症化してしまって、入院が必要になった人たちで、入院しなくても自然治癒しちゃうその他大勢のの人が対象ではないことを、頭に入れておこう!!

で、死亡が 150人 だ。

ここまでで、大雑把に、スタチン系を飲んでいた人と、いなかった人が何人ずつなのかを、統計学的な数値から実数に置き換えてみよう。

スタチン系服用の有無で死亡オッズ比が0.6だから、、、、、

スタチン服用 56人
スタチン未服用で 94人

の人が、死んだ事になる。

オッズ比が、95%CI で示されているのは、年齢、人種、基礎疾患(心血管疾患、腎疾患、慢性肺疾患)、ワクチン接種、48時間以内の抗ウイルス薬投与の有無などの条件下で、色々と細かく、死亡リスクを見ているからだ。条件が違えば、スタチン系服用での恩恵が変わってくるからってことなのかな?

で、、、、そのオッズ比が 0.38~0.92 の範囲にあるので、、、、0.38 っていう、一番、死なない条件は、母数の中で一番死亡の少ない年齢グループに属し、非白人で、基礎疾患が無くって、ワクチン接種を受けて無くって、48時間以内に抗ウイルス薬を飲んだ人・・・・ってことになる。(この解析によると、統計学的には、ワクチン接種を受けないほうが、死なないということらしい、、、なんだかなぁ)

この場合、95%信頼区間に特別な意味は無い。0.38~0.92 が、「嘘じゃないよ」「誤差じゃないよ」「とんでもない値は取り除いたよ」ってな感じかな?統計学のお約束だね。


というわけで、この解析で、「スタチンが効いた」って言ってるんだけど、それよりも、だんぜん面白いのは、白人と、インフルエンザワクチン摂取と、48時間以内の抗ウイルス薬投与の有無だろう。

なんたって、白人であることのリスクが高い!!

それから、インフルエンザワクチン摂取、48時間以内の抗ウイルス薬投与の有無とちらも、95%信頼区間のオッズ比が、“1”をまたいでる。

これって、「ワクチンが重症化の死亡を防げるのは限定的」、「48時間以内の抗ウイルス薬投与が死亡を防げるのは限定的」って事じゃないの??(もっと言えば、役に立っているかどうかはわからないとの解釈も出来る)


今現在の、世間のコンセンサスは、インフルエンザワクチンも抗ウイルス薬も効くって事になっている。でも、、、、

このような感覚(思い込み)と現実とのギャップが大きい指標と比べて、スタチン系の服用が、重症化での死亡を防ぐ・・・・って言われても、、、、、、。それに、重症化して入院が必要な状態になった全入院患者3000人のうち、3割の1000人がスタチンを飲んでいたって・・・・・どういうこと?

インフルエンザに罹患する人の3割もスタチン系なんて飲んでないぜ!

だとしたら、重症化して、入院が必要になる因子として、スタチン服用があるって解釈も出来る。

マッチポンプとは、このことなり・・・・ってか?

これ、、スゴイ、、、ことなのかな?  まぁ、それは置いといて・・・。


ってゆーか、注目すべきは、白人じゃないリスク軽減?

白人だと、それ以外のどんな“良い”条件に該当してても、オッズ比は“1”を下回らないんだからね。


我ら日本人は、すでに、非白人のグループなんだから、それだけで、かなりのリスク回避・・・・ってわけだし、日本人で、スタチン系薬の服用により、インフルエンザで死亡が回避できるのかどうかの RCT でもやってもらわにゃ、なるまいて。


でも、まぁ、、、スタチン系薬でこの効果が出るんなら、ビス剤でも出そうだよなぁ。ただ、薬剤の体内での動態や分布が違うから、なんとも言えないけど。

あと、興味は、スタチン系を飲ませつつ、スクワレンの合成阻害薬を併用して、この効果が出るのか?知りたいなぁ。いま言われてる pleiotropic effects の延長なのか、はたまた、別の機序なのか?

それに、絶対リスクの軽減から見れば、漢方薬でもこの程度の数字は叩き出せるんじゃないのかなぁ?

最近の俺は、漢方薬シンパだからね。うひょひょ。


p.s. コッチ(マリンパの雑感)のエントリーにしちゃ、、ちょっと、真面目すぎかな?今回の。まぁ、たまには、いいかっ!

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December 16, 2011

現代における『十分の一税』と『クロスロード』

20111216_robert_leroy_johnson_cross中世のヨーロッパでは教会(ローマ法王)はウマいことを考えて、収入源を確保していた。とにかく、モノが動けば、自動的に入ってくる仕組みなんだからスゴイ。

よくわかんないんだけど、教会は“破門”という手段を用いて、この仕組みを“可動”させていたらしい。その当時は、庶民は生まれて洗礼を受け、結婚を認めてもらい、死んだら天国に行くための手続きを、その地方の教会や修道院などが担っていた。

庶民は庶民で、こういうことをしてもらうために、納税していた。っていうか、神父さんや修道士さんがいないと、生活できないって感じていた(らしい。でも、ドラマ大聖堂や映画ロビン・フッドを見ると、ソレばかりじゃないように描かれて入るが・・・)。

破門はこれらの権利の剥奪を意味する。

また、地方の王様は、その土地を支配する権利、税金を課す権利を教会から与えられていたから、破門されたら“ただの人”になるわけだから、不本意ながらも教会にしたがっていた。

なんで?  ヨーロッパ全土と諸々の権利がローマ法王にあるんだ?

と、、、これは、『コンスタンティヌスの寄進状』とやらに、根拠があるらしい。


もっとも、この『コンスタンティヌスの寄進状』はルネサンス期に“ニセモノ”だってばれちゃって、中世は終わりを告げる・・・・・。


というわけで、現代の『コンスタンティヌスの寄進状』に相当するものは何だろう?って考えてみた。。。。っていっても、自分の住んでいる業界のことしかわかんないから、この辺を考えてみると、、、、

あったよ、ありましたよ・・・・・・・。

でも、怖くて具体的には書けない・・・・・。みんなが一丸となって、自分たちの利権と栄誉の為に、、、、、

そして、面白いことに、この業界の中でも少なからず『コンスタンティヌスの寄進状』を心の底から信じている人がいる。。。。。子供みたいに純粋、、、、な人だけなら害はないのだが、その道のオーソリティ、、、組織の“お偉いさん”だったりするから、始末が悪い。

この構造は、中世も現代も、全く変わっていない・・・・みたいだね。

従って、現代日本の消費税10%は、実現される。確実に。まさに、『十分の一税』だ。


さて、興味は、何故、心の底から信じてしまう人がいるのか?に移る。


話は、一気に飛んだところから。。。

エリック・クラプトンの「クロスロード」って曲なんだけど、私は、クラプトンのオリジナルだと思っていた。

「ロバート・ジョンソンがオリジナルだ」って声高に言う人がいるんだけど、実際、そういう知識なしに曲を聴いてみて、これが同じだと思う人はいないんじゃないかな?

それほど、印象は違う。

下手に知識があると、自分の感性や印象まで変化してしまうという、とても良い例だと思う。


さて、話は戻って、この業界の中でも、特に、オーソリティや組織の“お偉いさん”にも、“本気で信じている”人が存在するのが、まさに、このような理屈からではないかと思うのだ。

自分で“感じた”り“経験”した事ではなく、“理想的なもの”“権威のあるもの”から与えられたり、あるいは、そういう人たちの同士で互いに褒めあったり情報交換したりしていると、、、、、というわけ。逆に、何もしらないと、、、、この場合は、「ロバート・ジョンソンがオリジナルだ」を知らなかった人たちが大勢いたから、イギリスでロックは発展したともいえる(和音じゃなくアルペジオじゃなく“リフ”なんだよね。ロックのギターは)。オーソリティやお偉いさんは、「ブルースとしては、邪道だ」とかなんとかイッちゃいそうだからね。

比喩が過ぎたけど、感じたのは「医療は高尚なものじゃない」「患者さんは常に高尚なものばかりを望んでいるわけではない」ということ。それを、こっち側のお馬鹿さんたちは、“理想像(自分たちに都合よい患者像)”を作り上げて、マスターベーション(先の中世の庶民も、歴史のオーソリティが作り上げた“理想的な庶民像”なのかもね)。


さぁ、どうしましょうか??


でも、この情報化社会で選択肢が多い時って、人は、まともな判断が得られないように進化したみたい。

しょうがないね。

少ないほうがよいのはどんなとき?(When Is Less More?)

Science November 18 2011, Vol.334

多過ぎる情報のために、意思決定の能力が妨害されて、最適ではない選択をする結果になることがときどきある。

FreidinとKacelnikは、この「少ないほうがよい(less is more)」効果をムクドリで探求し、文脈情報がムクドリの「最適な」エサを選択する能力を妨害していることを確認した(p. 1000; またGiraldeauによる展望記事参照のこと)。

しかし、このことはトリが同時に複数の選択肢を提示されたときだけ、正しかった。

それとは対照的に、トリがエサの選択肢を順番に提示された場合には、そのエサ発見の文脈を知っていることは、最適な選択をする助けになったのである。

自然界では、ムクドリは無脊椎動物をあさっていて、同時に多くのエサにでくわすことはありそうにない。

つまり、意思決定というものは、選択肢が同時に与えられたら失敗するにもかかわらず、文脈情報を選択決定に用いるよう進化してきたのである。

Rational Choice, Context Dependence, and the Value of Information in European Starlings (Sturnus vulgaris)
pp. 1000-1002

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December 07, 2011

性的拮抗作用(Sexual Antagonism)

20111207_evangelion_girlギリシャ神話のアテナ女神(ローマ名ミネルヴァ)やアルテミス女神(ローマ名ダイアナ)は処女神である。

アテナは頭脳明晰で智謀に長け、アルテミスは弓を使わせれば何人も及ばない腕前を誇り、、、って男勝りの性格が災いして?か生涯、男っ気がない。

これって、面白いことに、ゼウスの娘たちである。

ゼウスを、以下の論文にある“テストステロンが高レベルで攻撃性の高いオス”として、その“資質”を受け継いだ娘たちをアテナやアルテミスになぞらえると、非常にわかりやすくって面白いことに気づいたので、ここに紹介したい。

Science November 18 2011, Vol.334

オスにとって有利な形質は、メスにとって有害でありうる。

たとえば、テストステロン(代表的な雄性ホルモンの一つ)が高レベルで攻撃性があると、支配を助長することでオスにはメリットがあるが、メスの場合には繁殖力の減少によって有害である。

つまり、高度に優位なオスは繁殖力の低いメスの子孫を産み、逆もまた真である。

しかし、それでは、適応度の異なりに関与する形質の変異は、どのように維持されるのだろうか?

Mokonnenたちは、規則的な個体数ゆらぎと乱交雑交配系をもつドテハタネズミ(bank vole)で、この疑問に取組む大規模実験を行なった(p. 972)。

優位なオス(繁殖力の低い娘が多い)は、一般的条件下で好まれたが、オスが少ないときは、劣位のオス(繁殖力の高い娘が多くいる)が、集団の個体数にかなりの貢献をしていた。

このデータから導かれたモデルは、性的な拮抗作用と頻度依存の選択の組み合わせが、性的拮抗作用だけでは不可能な、遺伝的変異を維持していることを示唆している。

Negative Frequency-Dependent Selection of Sexually Antagonistic Alleles in Myodes glareolus
pp. 972-974


この論文にある“オスが少ないとき”って、どんな時だろう?って思ったら、テストステロンの多い男たちがバタバタ死んでしまった“戦中・戦後”の日本にドンピシャではないだろうか?

戦場ではテストステロンの多い気質“=勇敢=無鉄砲”がアダとなって“死に急いでしまう”わけだ。慎重=腰抜けで臆病な性質が、長生きの“因子”となる。

戦中、戦後に出産適齢期を迎えていた日本の女性たちは、選択の余地も無く、平和な時には弱い性質を持った(テストステロンの少ない)男の“胤”をもらうことになる。

、、、、が、結局、これが戦後の政策「産めや増やせ」に合目的的に作用するのだから、面白いよね。

で、平和な世の中になると、限られた環境の中で生育できる個体数は、これまた限られていることから、強い男が主導権を握ることで、個体数を少なくする方向に力は働く。

すなわち、テストステロンの多い“バリバリ”タイプが“勝ち組”となり、弱い男が“結婚できない”状況を作り出し、またまた、そんな父親の性質を受け継いだ“娘たち”は子供を作りたがらない・・・・・当然、少子化。


現代の、格差社会は、“環境による個体数の抑止力”の結果だったとも考えられるワケだ。これぞ、“神の見えざる手”だね。人道的に否定したがる気持ちはわかるけど・・・(笑)。


もっとも、この論文は、オスとメスの覇権争いに関する論文だから、地球上におけるホモサピエンス個体数の“適正値”を認知する論拠にしちゃいけないんだけどね。

さて、そのオスとメスの覇権争いだけど、ミクロな世界では、オスがメスの為に自己犠牲をしている姿が見つかっている。

父系性のミトコンドリアを始末する(Getting Rid of Mr.Mitochondrion)

Science November 25 2011, Vol.334

殆どの多細胞生物において、ミトコンドリア--いわゆる細胞の発電所--は、もっぱら卵母細胞に由来する。

しかしながら、胚形成中に精子に由来する父系性のミトコンドリアが細胞質からどうして選択的に消滅するのか不明である(Levine and Elazarによる展望記事参照)。

Sato and Sato(p. 1141,10月13日号電子版)とAl Rawiたち(p. 1144,10月27日号電子版)は、線虫において受精後直ちに侵入した精子により自己貪食が誘発されることを見出した。

自己貪食は胚における父系性のミトコンドリアを選択的に除去し、そしてミトコンドリアの母系性遺伝にとって必要とされる。

更に、マウスの胚の調査から、自己貪食はこれらの種の中で保存されたメカニズムであることが明らかになった。

Degradation of Paternal Mitochondria by Fertilization-Triggered Autophagy in C. elegans Embryos
Postfertilization Autophagy of Sperm Organelles Prevents Paternal Mitochondrial DNA Transmission


オスはメスのために自身の一部を食べて失わせる?

まぁ、そのようにするのが、一番、利益あったんだろうね。他のは淘汰されちゃった?

我々の家庭を見ているようで面白い。やっぱり、奥さんのために自己犠牲は必要なのだよ。世の婿殿に告ぐ・・・・なんちゃってね。


ところで、神話の時代にも、こういう“多様性を持った”神様が“創造”されるくらいだから、当然、その当時の人々の間でも、“男勝りの女”と“女々しい男”が居たのは想像に難くない。

現代の日本では、草食系男子って言葉が流行ってる。厳密に言えば草食系動物も“SEX”はするわけで、それも、回数は肉食系よりも多いかもしれないから、流行語としての“草食系男子”が“SEXしない”イメージで語られるのには、違和感があるんだよね。

先の“負け組み”が結婚できないのは、環境が個体数に影響してるって考えれば、理解できる現象なんだけど、性欲そのものが減退している男子が、本当に増えてるとしたら、別な理由を考えなきゃならないわけで、、、、

でも、まぁ、実態は、SEX したくても相手がいないって事なんだろう。草食系男子だって、したがってる、だけど、甲斐性が無いから女にもてない、相手がいない、カッコ悪いやら寂しいやら満たされないやらで、精神の安定を図る為に、現実逃避・・・・・、SEX したくない振り(無意識かもしれない)・・・・・、って感じ?

そんな人たちを哀れんだマスコミが作り上げた“偶像”かもね。それすらネタにしてるけど。マスコミたちは。

┐(´∀`)┌ヤレヤレ ホモサピエンスは難しいねぇ。

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December 06, 2011

ノーバート・ウィーナーとFT-86

20111206_ft86「一般に協力というものは、自分の領域について実体験とほぼ十分な知識とを持ち、相手の領域については討論できるだけの知識を持っているということが条件である」

この言葉に出会ったのは、ひょんなことから、、、なんだけど、その経緯(っていうほどのものじゃないんだけど・・・)から。。。

私の場合、薬学生の実習の“ネタ”に、研修医向けのテキストを利用することがある。薬局でセルフメディケーション薬を選択するプロセスに、その思考ロジックが参考になることが多いからだ(といっても、私自身は店頭でのOTC販売の経験はないんだけど・・・)。

で、第3期の学生を迎えるに当たっての“ネタ”探しをしてたら、、、

諏訪中央病院の総合診療科のオリエンテーション用?の pdf ファイルに hit した。その中に、この言葉が書いてあったのだ。
【隣の病い】(ちくま学芸文庫)
・中井 久夫
・筑摩書房
・新書 (ASIN: 4480092668)
・カテゴリー: 医学・薬学
からの“引用の引用”だそうだ。(pdf ファイルでは、【精神科医がものを書くとき[Ⅱ] P51】中井久夫 広英社 より引用って書いてあったけど、たぶん、それはこの本をもとにしたエッセイかなにかだろう。中井氏がノーバート・ウィーナーの言葉を引用した経緯でもかいてあったのかも)

私は、著者の“中井 久夫”を知らなかったのだが、その道では有名な方らしい。ついでに、ノーバート・ウィーナーという人も、恥ずかしながら知らなかった。


でも、その人が提唱した「サイバネティクス理論」は知ってはいた。


渡り鳥の飛行を観察して「通信と制御」という論文を発表し、その中で「サイバネティクス理論」を発表した・・・と。この理論は仮想空間を表現する「サイバー」という言葉の語源になったばかりでなく、コンピュータサイエンスや航空宇宙サイエンスなど多くの分野で応用されている。

ノーバート・ウィーナー は wikipedia で検索すれば、彼の“天才ぶり”が良くわかるのだが、不思議と、巷では“有名”じゃない(みたい)。

さてその「サイバネティクス理論」だけど、、、、

渡り鳥は種類によるけど、一回に何千キロも飛ぶ。もし、出発の時点で、飛び出す方向を決めてるとしたら、その角度がほんの1度でも狂えば全く違う場所にたどり着いてしまう。でも、実際は、ほぼ、ピンポイントで目的地に到着している。しかも、大自然の中を飛んでいくので、天気も湿度も気圧も風向きも毎回違っているはずなのに。。。。

どうして、そんな事が出来るのか?と、ノーバート・ウィーナーじゃなくても、疑問に思うだろうけど、天才は、その後が違う・・・・。

閃いたのは、「弓矢や弾丸のように最初に方向を定めて出発し、直線的に飛んでいくのではなく、途中で何度も軌道修正しながら飛んでいくのではないか」と(知って後ではなんてこたぁないんだけどね、、、)。

そうすると、また、新たな疑問が。。。。

「じゃ、軌道修正はどうやってんだ?」と。

で、すったもんだの挙句、もろもろの考えをまとめ、1947年に「通信と制御」という世界に衝撃を与えた論文を発表し、この論文の中で体系化したのが「サイバネティクス理論」というわけなのだが、、、、

ウーィナー博士が、「一般に協力というものは、自分の領域について実体験とほぼ十分な知識とを持ち、相手の領域については討論できるだけの知識を持っているということが条件である」に至ったのは、氏の経験からなんだろうなぁ・・・と、ふと、おもったりしたわけだ。

博士が立ち上げた研究プロジェクトなど、あっさり解散してしまうあたり、天才であるが故の“奇行”ともとれるんだけど、でも、彼とまともに議論できる“頭脳”を持った研究者が、同時期に周囲に存在していなかった故とも取れる。

で、「協力するって、あいつら、一方的に、オレにおんぶにだっこジャン」って感じてしまったのかも。


まぁ、どんな経緯で、この言葉が生まれたのかは置いといて、つくづく、自分自身を見つめなおすのに、有用な言葉だなぁと感じたわけよ、オレは。世の中、簡単に「協力しますよぉ~」なんて、軽いのりで語るヤツがおおいけど、協力するのは、簡単じゃないんだぞと、いいたいねっ。(オレの周りなんて、自分の領域すら満足じゃないやつらで満たされてるもんなぁ・・・)


さて、周辺環境と「通信(コミュニケーション)しながら制御」し、結果をフィードバックすることを繰り返しながら小刻みに軌道を修正(制御)するってのは、実際、人間なら、だれでもやってることで、動物でも、渡り鳥でもやってることなんだけど、それを“言葉”にしたところが、スゴイ。

たとえば、ドリフト走行。コレ、渡り鳥が目的地にたどり着くプロセスと同じことを、短時間に、激しく、やっている。

で、ドリフト走行といえば、『86』。

(・・・やっと、ここまで来たぁ!!)

FT-86の凄いところは、トヨタがメーカーとして“改造”を奨励しているところ。普通なら、改造はメーカーには敬遠される。GT-Rなんて酷いもんだ。一切の改造は認めない。やったら、メーカー保障は無いってんだもん。それをトヨタは、、、

メーカーとユーザーとチューナーが三位一体となって協力しつつ盛り上げていこう・・・と。

いやいや、まさに、“協力”というのは、コレですよ!!お互いがお互いを必要とし、お互いにお互いが何が出来るのかを知っていて、お互いに要求を出し合える・・・・・・。

FT-86 欲しいぞっ!

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November 26, 2011

ねずみは“希望”

20111126_brave_rat_2おなじ哺乳類でも、ヒトとネズミはかなり違うってことを知ってから、ネズミで行う“実験”で得られた結果を示されても、、、

「ふぅ~ん、で、、、なに?」

って感じで過ごしてきた私だけど、、、日経オンラインのメルマガをを読んで、すこし、考えてしまった。

そのメルマガのタイトルは『ねずみの実験で効果ありが「開発」なのか』で、主旨は、私が感じてきたことと全く同じで、さらに、ねずみでの実験結果が、あたかも人間で効くかのような新聞報道を非難しているというもの。

一部、抜粋すると、、、、

 さて、一番上のタイトルの件ですが、11月22日から23日にかけて新聞各紙が、浜松医科大学の抗がん剤に関する研究成果の記事を掲載しています。この研究成果はPNASに掲載されたのですが、その内容は腫瘍の新生血管に集まる性質のあるペプチドにSN38(イリノテカンの活性代謝物)を結合した化合物を作製し担がんマウスに投与したところ、副作用を観察することなく腫瘍はほぼ消えたというものです。

 新聞各紙の見出しを見ると、「副作用ほとんどない抗がん薬、浜松医科大が開発」(読売新聞)、「新生血管標的の抗がん剤、浜松医大グループが開発」(日経)、「新生血管のみ標的の抗がん剤、浜松医科大研究グループが開発」(信濃毎日新聞)など多くの記事で「開発」という言葉が使われています。本文中で、「開発した」と書いてある記事もありました。「開発」を辞書で調べると、「実用化されること」とあります。つまり「開発した」とは、「実用化が終わった」と読み取れます。

 このメルマガの読者の方ならご存じでしょうが、動物実験で確認された効果が臨床試験で出なかったり、動物実験で表れなかった副作用が臨床試験で発生したりという事例は、当たり前のようにあります。というよりも、動物実験の有効性と安全性がそのままヒトでも発揮される薬など皆無でしょう。臨床試験も始まっていない段階で、「開発」という言葉を使うのは、いくらなんでも勇み足過ぎます。


なんだか、自分をみているようで、こっぱずかしい・・・・・。

まぁ、それは置いといて、、、、私は最近のエントリーで、【ラ・ロシュフコーの『箴言集(しんげんしゅう)』には、「希望はずいぶんと嘘つきではあるけれど、とにかく私たちを楽しい小径(こみち)を経て、人生の終わりまで連れて行ってくれる」と書いてある】と書いたように、この“希望”という“気持ちの持ち方”の医療での“文学的側面”をかなり意識するようになった。

---単なる“歳”なのかもしれないが---

そんなわけで、メルマガにあるような“マスコミ批判”は、昔だったら、自分からガンガンにやったし、今でも、半分(以上かな?)は、そんな気持ちもあるのだが、半分は、「(どうせ、治んないんだから)希望を持たせたって、いいんじゃないのか?」と自問自答するようになってきたのだ。

“(どうせ、治んないんだから)”という部分だけに反応されて「医療人としてあるまじき考え方だ」との批判は不本意ではあるのだが、、、、これが、現実であり現代医学の限界であり、医療の限界を見せ付けられた結果、至った境地なので、仕方が無いのだ。


最近、ブログで“熱く”マスコミ批判が出来なくなっているのも、そんな気持ちが働いているのかもしれない。


さて、話は、まったく変わるんだけど、Science November 11 2011, Vol.334 からのネタ。

【プロスタグランジン産生の新経路】ってヤツ。

PG 類の産生経路は、理系なら誰でも知ってるアレなんだけど、アレとは別にあったよって話。

プロスタグランジン産生の新経路(A New Pathway for Prostaglandins)

Science November 11 2011, Vol.334

プロスタグランジンは、多くの生理的過程や病的過程において、しばしば炎症誘発性メディエーターとして、主要な役割を果たしている。

プロスタグランジンの炎症誘発性効果は、感染症との闘いにおいては有益であるかもしれない。

しかしながら、慢性的に産生されると、それは回復不能のダメージをもたらすこともある。

プロスタグランジンは、シクロオキシゲナーゼ酵素によって、アラキドン酸から合成されている。

アラキドン酸の主要な源は、ホスホリパーゼA2酵素によるその合成によると考えられてきた。

Nomuraたちはこのたび、アラキドン酸産生の別経路の存在を実証している(p. 809,10月20日号電子版; またStellaによる展望記事参照のこと)。

それは、モノアシルグリセロールリパーゼによる内在性カンナビノイド 2-アラキドノイルグリセロールの加水分解である。

Endocannabinoid Hydrolysis Generates Brain Prostaglandins That Promote Neuroinflammation
pp. 809-813


内在性カンナビノイドっていやー、あーた、マリファナじゃないの!ってワケ。

カンナビノイドは、マリファナに類似のものという意味だから、内因性カンナビノイドってのは、身体の中で作られるマリファナのような作用を持つ物質のことだ。

内因性カンナビノイドは、神経細胞の活動が高くなると神経細胞内で作られる。

一般的に、神経細胞を伝わる電気信号は、シナプス前部から神経伝達物質が放出されてシナプス後部へ伝わるんだけど、これとは逆方向に、内因性カンナビノイドがシナプス後部から放出されてシナプス前部に作用する。

何のためかっていうと、、、これがシナプス前部にあるカンナビノイド受容体に結合すると、神経伝達物質の放出が抑さえられのだ!! つまり、、、ネガティブ・フィドバックを担っているワケ。

この作用は「逆行性シナプス伝達抑圧」と呼ばれてるんだけど、このように、神経細胞の活動が高まると内因性カンナビノイドが産生・放出されてシナプス伝達を抑圧し、神経細胞が過剰に興奮するのを防いでいるってわけなのだ。

で、現在では、、、逆行性シナプス伝達抑圧を引き起こすのは、DGLαが産生する2-アラキドノイルグリセロールであることがわかっている。


・・・・

で、脳内情報伝達のホメオスタシスを担った後、2-アラキドノイルグリセロールは分解されて、プロスタグランジンが生成される。。。。このPG はシクロオキシゲナーゼに依存しない・・・・・、モノアシルグリセロールリパーゼによるから。。。。


って、何を意味するの????

眠くなったり、精神状態に関与したり、、、、って、PG 類の脳神経に対する生理作用はいろいろと研究されてるみたいだけど、、、、精神状態に介入できるのなら、、、、病人には“希望”が、、、


で、このような実験は、、、ネズミでやるんだろうなぁ・・・・・。


p.s.先日、wowow で「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を観た。キムタク主演のヤツだ。イスカンダルに放射能除去装置があるなんてのは嘘っぱちだけど、同じ死ぬなら“希望”を持ったまま、死なせたい、、、、沖田艦長の言葉を非難するのは簡単だけど、オレは、不覚にも、グっときてしまったのだった。

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November 15, 2011

ヘビの生き血で、トップアスリートの心臓を得る

20111115_jaguar_cx16なるほどねぇ・・・・・。

でも、最近は、このような知見から医療分野への応用を思い描くより、すぐ、タイトルみたいな事を連想してしまう。論文執筆者は「これらの脂肪酸に基づいた治療方法は、潜在的に患者の心臓機能を高める一つの道を与えるものであろう」って書いてるのに・・・・。

さてさて、そうすると、ドーピングの話もややこしくなるなぁ?

だって、同じ爬虫類のスッポンとかにも、ありそうじゃない・・・・。心肺機能を高める効果があるのなら、前日にスッポンを食べたら、メダルは剥奪・・・・。

スッポンって言ったら、アッチの方面しかクローズアップされないけど、あるのかもよ!!

NHK のドラマ「坂の上の雲」では、ノボさんは飲んでたっけ、スッポンの生き血。「スッポンの生き血なんなて、なんにも効かないよ。アハハ」なんて笑ってたけど、あながち、間違った行為じゃなかったのかも、昔の民間療法。。。。

再び訪れたヘビの油(Snake Oil Revisited)

Science October 28 2011, Vol.334

人の心臓は二つの異なる状況下で肥大化する。

「生理学的」心臓肥大はよく訓練されたアスリートで生じ、心臓機能が増強するが、一方「病理学的」心臓肥大は心臓発作や高血圧に応答して生じ、心臓の機能が低下する。

有益な心臓肥大を促進する分子因子を同定するために、Riquelmeたち(p. 528)はビルマのニシキヘビを研究しているが、このヘビは大きな餌を食べた後2~3日内に心臓の質量が40%の劇的な増加を示す。

この極端な生理応答は食後のニシキヘビ血漿内の特殊な脂肪酸によって促進された。

これら脂肪酸のin vitro とin vivoでの投与により、ニシキヘビとマウスの心筋細胞の双方で生理学的心臓肥大と関連するシグナル伝達経路が刺激された。

これらの脂肪酸に基づいた治療方法は、潜在的に患者の心臓機能を高める一つの道を与えるものであろう。

Fatty Acids Identified in the Burmese Python Promote Beneficial Cardiac Growth
pp. 528-531


さて、ヘビとは全く関係ないんだけど、今月号の AUTOCAR を読んでて、心臓にビクンと来た車が、コレ。

ジャガー C-X16 。

まだコンセプトカーの段階らしいんだけど、このままの姿で世に出てきたら、かなり、物欲が刺激される事は間違いない。

私の場合、車を購入するに当たっては、いつも、アンビバレントな感情に悩むことが多い。

すなわち、素直に“嬉しい、やったぁ~”ってな感情と、「高価な買い物をしてしまって」うという“無駄遣い”に対する“自責の念”の感情だ。

この自責の念は、かなり相対的なものであって、能天気な友達と一緒にいるときなど「自分だけじゃない」と感じられれば“胸がつかえたような感じ”は薄らぐのだが、「将来の生活設計は、、、」みたいなことを考えさせられると、とたんに、“胸のつかえ”が“重症化”する。

ようするに、我輩は“心臓”が弱いのだ。

「ああ、また、欲しくなった車ができちゃった」
「資金はどうするんだよ」
「うぅ~」

みたいな、先の先まで読んだ上での、心臓にビクンだったのだ。


しからば、このように弱い心臓も、ヘビの生き血で強くなったりするのだろうか??トップアスリートのような、ここ一番での重圧に耐えられる心臓の強さにっ!?

心臓が強くなりすぎて、無駄遣いに抑止力が働かなくなったら、私の経済力では生活の破綻が待っているのはわかっているんだけど、好きなものを買うときに、いつも、ネガティブな感情を伴うのも、なんだか、つらいものである。

などと、悩んでいる風を装ってはいるが、喜びが80%を超えているのも事実である。なぜか、周囲の人に対して、大っぴらに喜んでいる姿を見せられない自分に対する、もどかしさもあるのかもしれない。大っぴらに喜びたい・・・・(しみったれた日本人の典型だね、オレ)。


20111115_miss_chinaとまぁ、なんだかんだといっても、今回の“ジャガー”はカッコイイ。

いままで、黙っていたけど、これまでのジャガーはかっこ悪かった。クーペの XK だって、お世辞にもカッコイイとは言えなかった。ちょっと見はアストン・マーチンみたいだけど、印象がまるで違った。なんか、ま抜けだった。

でも、コレは違う。

これなら、アストンマーチンに張り合える。世界一美しく、どの角度からも破綻の無いデザインの V8ヴァンテージ とも。その上、価格は半分くらいだろうから・・・・(写真の艾尚真は、我輩がどれくらいこの車を美しく感じているかを、人間に例えてみたもの)。

と、思った今日この頃でした。

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November 08, 2011

幼児にも見られる分かち合い

20111108_amour_et_psyche_enfants「最小不幸社会」は絵に描いた餅だった

野党根性が抜けきらず、綺麗ごとばっかりの理想主義集団をこき下ろすのに飽きてきちゃって、そっち方面に熱の入らない今日この頃なのだが、そもそも、「最小不幸社会」ってのが実現可能なのか、そして、そんなことを自信を持って“言い出す”輩が出現するのかを考えてみた(思想的には、まるっきり共産主義だからね)。

多分、というか、生物としてホモサピエンスの辿った進化の過程をみると、「最小不幸社会」ってのは、どだい無理な話だと気づく。。。。。というか、「最小不幸社会」の定義が必要になるわけだが・・・・・。一日の必要なカロリーと栄養を満たすだけの“お金”を得られればOKというのであれば、可能なのだろうが、民主党はそうは考えてないだろうから(本来なら、自分で食べ物作れよって話だけど、日本人はその辺、脆弱だから)。

んで、人間の行動のなかで実際みられる“分かち合い”ってのが、こういう“慈愛、思いやりに溢れた”「最小不幸社会」を実現する原動力ってことになるんだろうけど、、、

現実の“分かち合い”って行動は、“慈愛、思いやり”に根ざす行為ではなく、単なる本能だったのだ。(ヒューマニズム的には慈愛と思いたいのはわかるけど・・・)

心理:幼児にも見られる分かち合い

Nature 476, 7360 (Aug 2011)

ヒトの社会をほかの霊長類の社会と比べた場合に際立つ特徴の1つは、さまざまな状況で資源を平等に分かち合うことである。

しかし、ヒトの幼児もチンパンジーも、協力せずに手に入ったものはあまり公平に分配しない。

こういう思いがけない報酬に対する反応を調べる行動学的研究で、幼児には玩具、チンパンジーには食べ物を与えたところ、3歳の幼児でも、共同作業によってチームの一員が玩具を得た場合には、より公平にそれを共有する傾向があることがわかった。

平等主義的傾向が出現するのは学齢期の6~7歳であり、この時期に公平性という社会規範を学習するのだと考えられていたが、今回の結果はこうした一般的な仮説とは一致しない。

チンパンジーは、収穫が共同作業で得られたかどうかにかかわらず、公平性を好まない。

現生人類がより大きな集団になるほど資源をより平等に分配する傾向は、共同作業で得た獲物の分配に起源を持つと考えられる。


Letters to Nature p.328
News and Views p.289


20111108_young_girl_defending_herse重要なポイントは、『収穫が共同作業で得られたかどうか』というところだ。

今朝もテレビでサラリーマンの妻(専業主婦)の“払われすぎた年金”について、政府の考えがどうタラこうタラとやっていたが、国民の多くは『ふざけんな』と怒りを露にしている。「払いすぎた分を回収しない」というのが政府の考えだからだ。

政府というか、偽善者=民主党は、“結果の不平等”ばかにり着目して、努力をもしない連中まで“救おう”としている。

だから、多くの人の“本能”のこのような琴線に触れ、『冗談じゃないよ』という結果になったわけだ。コレ、当たり前のことで、互恵的利他行動という観点からみても、人々が「貰い得」を許すはずも無いわけで・・・。

で、コレ、ここまでくると、“社会の正義”とかの話になってくる。

多大な利益を得た人は、目に見えない“他人様”のおかげでそうなったのだから、不幸な人を救うのは、当たり前だって考え方だ。(これ、ビル・ゲイツやマイケル・ジョーダンが多大な税金を払うのは当然の論拠になる)

数は少なくても、目に見えない“他人様”のおかげで、アナタの収入があるんだよ。だから、収入の無い人には、分配しなければならないんだよって考え方だ。

面白いことに、ほとんどの日本人はこういう考え方が出来ない。だから、『ふざけんな』『冗談じゃないよ』と。


【ハーバード白熱教室】で知った、数々の“正義論”は、自分なりの解釈では“究極”の正義は無い。それは、時代と共に変わる。。。ということだ。

番組を見た人なら、ベンサムの名前は覚えてしまっただろう。このベンサムの功利主義は「最大多数の最大幸福が社会の理想的目標である」としたわけだが、裏を返せば、多少の犠牲は目を瞑る、それが、、、、、ってわけだ。サンデル教授は、功利主義そのものに賛同してなかったみたいだけど。

人道的かどうかを“第一”に置けば、「人ひとりの命は地球より重い」ってことなんだろうけど、これを優先するあまり、10人が死ぬのは、良い事なのか?

切れ味鋭い問いかけに、誰も、反論できない・・・・・って視点ではなく、“俺的”には、自然界の法則に則っているって感じるわけで、、、、

これを逆転したかのような、民主党の“最小不幸”ってやつは、裏を返せば、暴走列車の犠牲者を一人も出さない事を目指す・・・・ってことで、絶対、無理な話なワケだ。

そして、この手の偽善者(社会的弱者を作って、それを救うヒーロー)の思考ロジックは、ほとんど似ている。

だからこそ、私は、ベンサムのような、「少しの偽性は厭わない」というスタンスにこそ、清清しさを感じるのかもしれない。

人間は、地球上の一種の生命体である。何ものもこの定義を超えることは出来ない。正義論は、まず、ここから始めないと、民社党のような“結果の平等”を希求する共産主義者になるんだと思っている。


次に、どうして、こんな考え方をする人間が出現するのか?自信過剰とも思える“持論”を展開できるのか?について。

まずは、、、、

進化:自信過剰はそれなりに理由がある?

Nature 477, 7364 (Sep 2011)

過剰な自信は、進化生物学、経済学、および政治科学における大きな謎である。

なぜなら、自信過剰は誤りや政策の失敗といった手痛い結果をもたらすにもかかわらず、ヒトの判断や意思決定に広く見られる傾向であり続けているからだ。

ヒト以外の動物でも、争い行動に際した事例では自信過剰になりがちなようだ。

D JohnsonとJ Fowlerは、ゲーム理論を使って自信過剰が有利となる状況をモデル化し、そうした状況がパラメーター空間の大きな部分を占めることを見いだした。

また、資源の利用可能性の増大とともに自信過剰が強まり、争いが増える傾向があることも明らかになった。

戦利品の価値が競争のコストを十分上回ってさえいれば、運は勇者に味方するようである。

Letters to Nature p.317
News and Views p.282


こういった、人間の本能が、戦争がなくならない理由の一つとしても考えられるのだが、『戦利品の価値』を政権を取ることに置き換えれば、まさに、民主党の姿そのもののとして見えてくる。

政権をとる戦略として“共産主義的思想”を掲げた集団(中には本気の人もいて、でも、政治的戦略だけの人もいて、、、、小沢一郎なんかは、後者の代表であって・・・)だからこそ、具体的な政策となると、党内バラバラなわけで、、、、

それぞれの政治家の目標が達成できれば、それは、自分にとって“勝ち”であるから、自信過剰な人間が生まれるのは、自然の摂理・・・・・なわけなんだね。


20111108_the_abduction_of_psycheと、以上が政治学者でもない、一般の人である“俺”の薮にらみ。

で、ついでに、今、気になっているのが、エロス。

こりゃ、究極の本能だ。

今回のエントリーで貼った絵は、どれも“エロス”を描いている。しかも、作者はブーグロー一人(ちなみに、私、印象派よりこっちの方が好き)。

「エロスとプシュケ」が「愛と心」なんて“訳”されると、とたんに“清純”っぽく聞こえちゃうから、なんだか、白けるんだけと、本質は「肉体の愛欲」のこと。

キリスト教の蔓延に伴って、「肉体の愛欲」は“ハシタナイ”ことにされ、その鬱憤がルネッサンスで爆発するわけだが、、、、、

現代社会に蔓延する“いい人”になりたい願望も、本音で言えば「多少の犠牲はしょうがないじゃん」って、ルネッサンス的思考、道徳観、正義感の転換が訪れるのではないかと思っているわけで、、、、

今、民主党の衆愚政治が、その引鉄を引く・・・・ことになればいいなぁ・・・と(医療も聖域ではないって思ってるよ。無駄、不必要な行為をなくさないと、日本は破綻だからね。善人面しないで、本音で行かないと・・ネ)。


で、エロスだけど、青年の姿のエロスもあるんだけど、子供の姿に描かれることも多い。エロスを Wikipedia で調べれば、ことの成り行きはわかるから割愛するけど、この童神、子供の姿だからって、侮ってはいけないのだ。

“純粋”なんてのとは、程遠い、“愛欲の事件”を起こしている。

特に、「エロスに抵抗する少女」のような“処女を守り通そうとする純真な女子”がいると、とたんに機嫌を損ねるアフロディーテに頼まれて、“やっちゃう”ことが多いのだ。このような女の子は、アルテミスには好かれるんだけど、アフロディーテには憎まれちゃうんだよね。

その中で、ひどいのが、自分の義理の息子に肉欲を感じさせちゃった事件。被害者はパイドラ(そういやー、今、なんか、陳腐な設定の映画やってるなぁ)。ご存知、クレタのラビリンスからアリアドネと恋の逃避行した英雄“テセウス”の妻。

英雄っていやー、テセウス、女癖は最悪だ。アリアドネを逃避行の最中に捨てちゃって、その後アマゾネスの女王を“妊娠”させ、これも捨て、こともあろうか、アリアドネの姉妹のパイドラを王妃に迎える・・・・・・と、その前に、トロイ戦争で名を馳せたパリスが略奪する前のヘレネを拉致しに行ったりしちゃって。。。。

パイドラの場合は、純潔を護ろうとしたわけじゃないんだけど、このテセウスの連れ子のヒッポリュトスに邪な愛を仕掛けさせる。テセウスに知れて、、、、、災いが、、、

って。。。。。。


本能に任せ過ぎると、いいことも無いかっ!!!こりゃまた、失礼しました。

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November 02, 2011

エロスの弓矢は?

20111102_apollo_and_daphne_by_berni 「おい、いたずら小僧、大人の持つ武器をおもちゃにして、どうしようってんだい。そいつは、僕の道具だよ。僕は十分な力と腕前を持っている、それで狙いも誤らず、野獣でも悪いやつでも射て取るんだ。
 今が今とて、ほら、あすこに谷々を蔽って延びている、あの巨竜を退治してきたのだぞ。おまえは、せいぜい松明でももって、隠れた恋の通い路を、照らしてやるのが分相応だろう。僕と腕比べをして名を争おうなどと、考えちゃいけないよ」

これは、オリンポス十二柱の一柱、アポロンがエロス(ローマ名クピド、英名キューピッド)をからかった際に発した言葉だ。

アポロンはこの時、ゼウスにより戒めを受けている最中であり、むしゃくしゃしていたのかも知れない。このエロスを小ばかにしたような態度が、後になって、大きな尻尾返しに繋がるのだから、ギリシャ神話は面白い。


さて、こんなエピソードを思い出したのも、最近、気になることがあるからだ。

それは、、、、大真面目に取り組んでいる奴等がいるので、具体的には書かないことにするが、「まったく、勘違いも甚だしい・・・・同業者として赤面ものだ・・・・」ってことなのだが・・・・・

この、同じツールを使った行為が、エロスの能力のように、まったく違った方面に絶大な影響を及ぼす可能性があるのならともかく、アポロンとまったく同じ事をしようしとているところに、私の憤怒と溜息の原因があるのだ。

そして、ただ、真似事をするだけならまだしも、弓を引かない同業者を見下すしまつ・・・・・、ほとほと、頭の悪い連中だ・・・・・と、憤怒。そんなに、弓が引きたいのなら、アポロンかアルテミスになればいいのに・・・・・と、溜息。


さて、思い出しついでに、アポロンがゼウスに戒めを受ける羽目になった原因を紹介しておこう、、、意味は無いけど。

その昔、まだ、カラスが白い羽を持っていた頃の話。当時、アポロンはテッサリアの王プレギュアスの一人娘と付き合っていた。名をコロニスという。コロニスはデッサリア全州にも及ぶものはあるまいといわれたほどの美貌の持ち主だった。

しかし、、、、アポロンは、デルポイでの仕事が忙しい(とにかく、アポロンの所管する領域は多岐に渡る。音楽から医術、芸術、、、その他いろいろ)ので、コロニスを放っておくことが多かった。慰みに(というかスパイだったかもしれないが)にカラス(白かった頃は人の言葉を話せた)を傍につけ寂しさを紛らわし、あるいは連絡手段(伝書鳩)として使っていたのだった。

ある日、カラスがテッサリアのコロニスを尋ねたところ、、、、、なんと、コロニスは見知らぬイケメンと親しげにいちゃついている・・・・・。

---すわ、一大事---

カラスは、事の次第をアポロンに告げ口しに飛び去ったのだった。

事を知ったアポロンは、激怒し、テッサリアに向けて、痛みの篭る矢を放った。イリアスでもご存知のようにアポロンの矢から逃れる術はない。コロニスは死んでしまう・・・・。

しかし、、コロニスは恋の駆け引きをしただけだったかもしれない(とこかでカラスがみていることを承知の上で・・・)。アポロンだって冷静になって考えてみれば、自分より“いい男”がいるはずもない。

---勇み足だった---

こうして、コロニス殺害を後悔したアポロンだったが、あろうことか、カラスに逆恨み。。。。こんな告げ口しやがって・・・・・と、忠義立ての褒美と詭弁を弄し、白い羽を黒く変え、喪に服させた・・・・。

以来、カラスは“真っ黒”な姿で・・・・。


さて、この時、実は、コロニスは妊娠していたのだった。

憔悴しきったアポロンがテッサリアに駆けつけたとき、、、まさに荼毘に付されようとしたしたとき、、、その事実を知り、コロニスの胎から児を取り出し、ケンタウロスの賢人ケイロンに委ねたのだった。

20111102_bowl_of_hygieia医術の神でもあるアポロンの血を引き、賢者ケイロンに育てられたこの子こそ、医神アスクレピオスである。(欧米では医の象徴として一匹の蛇が絡まりついたアスクレピオスの杖がつかわれる。二匹の蛇が絡みついた杖は、アポロンの従兄弟、商業の神ヘルメスの杖である。一橋大学校章につかわれていますね。ちなみに、薬の象徴としては、アスクレピオスの娘といわれているヒュギエイアの杯がある)

当然、医術に関しては、父と肩を並べるほどの名を馳せるのだが、所詮は人間。死人を蘇らせて、冥王ハデスの怒りを買い、ゼウスの処遇によりアスクレピオスは雷に打たれて死ぬことになる。


アポロンは激しく憤ったが、ゼウスに楯突く事は出来ない。

腹いせに、ゼウスに“雷光(ゼウスの所有する武器)”を作った単眼巨人キュクロプスを虐殺するのだった。

さすがに、わが子といえども、ゼウスはこれを放免することは出来ず、、、、アポロンは1年間、オリンポス十二柱の座を追われ、人間の奴隷として、働かなくてはならなくなったのだった。

そんな時だったから、出っくわしたエロスに“いじわる”をしたのだった。


一方、いきなり小ばかにされて面白くないエロスは、天に帰り、金の矢をアポロンの胸に向けて放ち、鉛の矢をダフネに向けた放ったのだった。

コロニスを失ったアポロンは、この時には、別の女に夢中になっていて、その女は、大河ペネイオスの神の娘のダフネだったのだ。
   ・
   ・
   ・
金の矢を受けたものは、恋に狂い、鉛の矢を受けたものは、相手を忌み嫌う運命。

アポロンは、ダフネにはとことん嫌われる運命をエロスによって授けられたのだった。エロスを小ばかにしなければ、こんな事にはならなかったのに・・・・。

そして、ついに、いつもやさしく語りかけてたアポロン(コイツはけっこう短気なのかも)も、ついに業を煮やし、力ずくでダフネをものにしようとした瞬間、、、、、

「おとうさま、助けて。私をこの男の人から護って。もしお父様が神様なら、私の美しさをこの人のものにしないで下さいまし」

少女の祈りが言い終わらないうちに、激しい痺れが彼女の足を捕らえた。そしてそのわき腹は、見る間に、硬い樹皮で覆われていった。ふさふさと、初夏の太陽に輝いて波を打っていた金髪は、緑の葉に変わり、両腕は同じようにすんなりとした枝になった。

今しがたまで、あれほど速く走っていた両足も、いまは地中深くいりこんだ根に変じ、その頭は、いまでは微風にそよぐ梢に過ぎない。ただ、変わらないのは、趣こそ異なれ、前に等しく輝かしい美しさである。


アポロンは、その月桂樹の前で、三日三晩、泣き続けたという。
   ・
   ・
   ・
まっ、でも、私、アポロン、好きですけどね。

さて、一方のエロスですが、、、、キューピッドと呼ぶ場合には、“幼神”とか“童神”とかを思い浮かべるんだけど、本来、エロスは、ゼウスのお爺さんの世代の生まれとも言われていて、アポロンからすりゃ、曽祖父の世代。さらに、エロス自身も、うっかり、金の矢で自身を傷つけ、ひどい目にあうのだけど、その時は、青年の姿で、“イケメン”やってるエピソードなんぞがあったりして、、、、

この辺は、突っ込まないほうが、“吉”。

で、私の同業者を、このエロスに喩えたわけですが、アポロンとは違う、すごい影響力を発揮できるのか・・・・・・・・・、見物です(というか、アポロンと同じ事をしようとしている今のままじゃ、笑われる運命・・・)。


p.s. ヘルニーニの彫刻は、いつ見ても、スゴイ・・・ですね。アポロンとダフネの他に、“ペルセポネの略奪”も有名ですが、冥王ハデスがペルセポネを誘拐する場面を臨場感たっぷりに表現してます。高校時代は美大も目指した私ですが、どうやったら、あのように彫れるのか、かいもく見当もつきません。

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October 28, 2011

男にもサーバリックス/Cervarix(HPVワクチン)は必要か?

20111028_achilleusこれ、まかり間違うと“ネタ”にされそうなんだけど、その道の人には“切実”な問題かもしれない。

サーバリックスに関しては、3.11 震災後の計画停電で、“苦笑い話”を提供してもらったが、これは“苦笑い”していいもんなのかどうか・・・・・。

その計画停電での“苦笑い話”ってのは、節電に気を利かせた職員がワクチン保冷庫の電源を引っこ抜いて帰ってしまったってもの・・・・・。苦笑いですよねぇ・・・。

で、男が「サーバリックスを打ってください」って婦人科かどこかに訪れたら、、、、いったい、、、、

男のほうは大真面目で「肛門がんの予防のためなんです」とかなんとか言っちゃったら・・・・・


肛門ヒトパピローマウイルス感染と肛門上皮内腫瘍に対するヒトパピローマウイルスワクチン

HPV Vaccine against Anal HPV Infection and Anal Intraepithelial Neoplasia

J.M. Palefsky and others


背 景

肛門癌の発生率は男女ともに上昇しているが、とくに男性と性交渉をもつ男性で上昇している。肛門癌は、主に 16 型または 18 型のヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされるが、異型度の高い(グレード 2 または 3)肛門上皮内腫瘍が先行する。われわれは、男性と性交渉をもつ男性において、HPV 6 型、11 型、16 型、18 型感染に関連する肛門上皮内腫瘍に対する、4 価 HPV ワクチン(qHPV)の安全性と有効性を検討した。


方 法

大規模二重盲検試験の部分研究において、男性と性交渉をもつ 16~26 歳の健常男性 602 人を、qHPV 群とプラセボ群に無作為に割り付けた。主要有効性評価項目は HPV 6 型、11 型、16 型、18 型感染に関連する肛門上皮内腫瘍または肛門癌の予防とした。有効性解析は intention-to-treat 集団と per-protocol 有効性集団で行った。有害事象の発生率を報告した。


結 果

HPV 6 型、11 型、16 型、18 型のいずれかに関連する肛門上皮内腫瘍に対する qHPV ワクチンの有効率は、intention-to-treat 集団では 50.3%(95%信頼区間 [CI] 25.7~67.2)、per-protocol 有効性集団では 77.5%(95% CI 39.6~93.3)であった。すべての HPV 型に関連する肛門上皮内腫瘍に対する有効率は、それぞれ 25.7%(95% CI -1.1~45.6)、54.9%(95% CI 8.4~79.1)であった。100 人年あたりの肛門上皮内腫瘍発生率は、intention-to-treat 集団ではプラセボ群 17.5、ワクチン群 13.0 であり、per-protocol 有効性集団ではプラセボ群 8.9、ワクチン群 4.0 であった。HPV 6 型、11 型、16 型、18 型感染に関連するグレード 2 または 3 の肛門上皮内腫瘍発生率は、intention-to-treat 集団では 54.2%(95% CI 18.0~75.3)、per-protocol 有効性集団では 74.9%(95% CI 8.8~95.4)低下した。HPV 6 型、11 型、16 型、18 型による肛門感染の持続リスクは、intention-to-treat 集団では 59.4%(95% CI 43.0~71.4)、per-protocol 有効性集団では 94.9%(95% CI 80.4~99.4)減少した。ワクチンに関連する重篤な有害事象は報告されなかった。


結 論

qHPV ワクチン接種により、男性と性交渉をもつ男性における、グレード 2 または 3 を含む肛門上皮内腫瘍の発生率が低下した。このワクチンは安全性プロファイルが良好であり、肛門癌リスクの低減に役立つ可能性がある。(Merck 社、米国国立衛生研究所から研究助成を受けた。ClinicalTrials.gov 番号:NCT00090285)


N Engl J Med 2011; 365 : 1576 - 85.
Copyright(C)2011 Massachusetts Medical Society. All rights reserved.


最近、また、通勤電車で『ギリシア神話〈上・下〉』 呉 茂一 著を読み返している。

神話の時代から、古代ギリシャ・ローマの時代まで、、、男色は普通のことであったという。

ギリシャ神話きっての豪傑、ヘラクレスもその道の人だ。

ヘラクレスの男色が明らかになったのは、アルゴー丸遠征譚でだろう。出発まもなく、女しかいない---この世の天国だね、こりゃ---島に辿り着いて、うつつを抜かしている男どもに、「本来の目的を思い出せ」って言ったかと思うと、一緒に連れてきた“少年”が迷子になると、本来の目的もどこへやら、サッサとリタイヤしてしまうのだから。

他のエヒソードでは、ヘラクレスは結婚をしているから、“両刀使い”だったのかもしれない。

苦労して結婚したのに、その相手から毒を盛られ、死んでしまう(半分神だから、なかなか死ねないんだけど)のだが、、、、、

毒を盛られることになった原因は、ある時、ヘラクレスと妻のディアネイラが、とある川を渡ろうとしていたとき、近くにいたネッソスという名のケンタウロスに妻を背負わせたのが、そもそもの始まり。

ネッソスは美しいディアネイラを見て、たまらず、ヘラクレスが岸にたどり着く前に強姦しようと。。。ヘラクレスは激怒して、ネッソスをヒュドラの毒を塗った矢で射殺してしまうわけですが、、、ネッソスは、いまわの際に、「自分の血は媚薬になる。ヘラクレスが心変わりをしたら、自分の血を衣服に浸して、それを着せると効果がある。」とディアネイラに言い残して死んだのだった。

・・・・もう、うすうす、展開はお気づきのことかと・・・

そう、気が変わりやすいヘラクレスは、別の女に触手を、、、って、、、ビビったディアネイラは、ヘラクレスのパンツに、そっと、ネッソスの血を塗り・・・

と。。。


で、このエピソードを肛門がんの論文を読んだ瞬間、思い出して・・・・ってのが、今回の話。


もしかしたら、ヘラクレスは、肛門がんだったんじゃないのかな??

媚薬であると言われたネッソスの血には、ヒュドラの毒が混ざっていたワケで。。。ヘラクレスの皮膚はヒュドラの毒で、たちまちただれ。。。あまりの痛みにヘラクレスは衣服を剥ぎ取ろうとするんだけど、肌に吸い付いてしまい取れない。。。。

って、もしかして、肛門がんが末期を迎えていたのかも・・・。


ギリシャ神話の英雄、もう一人を上げるとすれば、アキレウスだろう。。。でも、彼も男色だったのは、有名な話。幼馴染のパトロクロスが、“穴友達”ってことなのだろうか?

そもそも、お客人を迎えた際、その家の少年を“添い寝”させる接待の習慣があったらしいから、特別なことではなかったのかもしれないが。。。
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というわけで、考えました。サーバリックスの新しいワクチン啓蒙ポスター!!

そのポスターは、ヘラクレスとアキレウスのツーショットにて、「僕たちも、予防接種をうけました」と言わせる。

いかが??GSKさん??

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October 21, 2011

関節の動きはフィードバック経路で追跡される

20111021_pandora_julesjoseph_lefebvへぇ~、フィードバックでねぇ・・・・、行き過ぎちゃったら、戻してるようには見えないし、感じないんだけとねぇ。

人間が、自分の行為を観察するとき、“知的な作業”なんて意識しなくても普通に“前もって”行為を制御する・・・・って思っているから、体の動きも、前もって、“コーヒーカップの位置まで”手を動かす“量”を指示してるって思っちゃうのは、無理も無いこと。

もしかして、“知的な作業”に見えることも、フィードフォワードじゃなくって、全部、フィードバックだったりして・・・・。

そう、“プロメテウス”なんてものは、脳内の幻想で、生命活動は、すべからく、フィードバック(エピメテウス)なのかもしれない。

そうだとしたら、合点のいくことばかりである。

とにかく、人間は“本質的”に、“学ばない”生き物だ。“過去の経験を未来に生かす”ことが出来ない。。。。

生命の本質=生存競争だから、戦争はなくならない・・・・って思っていたんだけど、そればかりじゃないのかも。

Nature 478, 7369 (Oct 2011)

肢に複数の関節がある動物で神経系が解決を迫られる難問の1つは、肢の動きの複雑な組み合わせによって生じる感覚入力を、どうやって正しく解釈して応答するかということだ。

例えば、見かけ上単純な1回の肩の移動でも、それが生じるために肩と肘に働く力の組み合わせの数はほぼ無限と言える。

Pruszynskiたちは、サルでの神経生理学記録とヒトでの刺激実験を用いて、肢の機械的動きの情報が、大脳皮質の一次運動野(M1)を含むフィードバック経路によって解かれており、過去四半世紀にわたって主流となっていた説、つまり運動変数のフィードフォワード情報処理によって解かれるのではないことを示している。

この結果は、ヒト型ロボットや脳マシンインターフェースの設計に影響を与えると同時に、脳卒中などによる運動機能障害のある患者の状態理解や治療にも関係してくる。

Letters to Nature p.387


面白いことに、神話の時代から、人間は、“先見の明”と“下衆の後知恵”を意識してた。プロメテウスとエピメテウスとしいうキャラクターがそれだ。

ギリシャ神話では、話のつじつまが合わないことが多いんだけど、この兄弟のエピソードもはなから辻褄はあっていない。

プロメテウスは神々の一人(ゼウスとは従兄弟の関係)なのに、エピメテウスは人間扱いなのがそれだ。(目くじらを立てることも無いんだけど・・・)

エピメテウスは、かねがね、兄のプロメテウスから「ゼウスからの贈り物には気をつけろ」って言われていたのに、とにかく、“まず、行動する”の人だから、その贈り物であるパンドラに触手を伸ばしてしまった。

神々から“火(知恵、英知)”を掠め取って“人間”に与えたプロメテウスとは反対に、パンドラの持ってきた“壷”から、数々の“厄災”を振りまいてしまった張本人がエピメテウスなのだ。

“やってしまって、後悔する”、、、下衆の後知恵。

憎めないキャラっていえば、いえなくもない。間抜けな人って、そういうところがある。

ところで、世間一般には“パンドラの箱”って言われているけど、実はパンドラが持ってきたのは、正確には“壷”らしい。そして、パンドラは、神=ゼウスが人間に送りつけた“初めての女”のことだ。それまで、人間には“女”はいなかったのだ。

プロメテウスを懲らしめるために送りつけたとされるのが、パン(すべての意)ドラ(贈り物の意)というわけだ。何故、ゼウスがプロメテウスを懲らしめようとしたのかは、他のサイトに当たってもらうとして、このパンドラの壷から数々の“厄災”が飛び出し、最後に残ったのが“希望”というのは、誰でもご存知のことだろう。。。

17世紀の文人、ラ・ロシュフコーの『箴言集(しんげんしゅう)』には、「希望はずいぶんと嘘つきではあるけれど、とにかく私たちを楽しい小径(こみち)を経て、人生の終わりまで連れて行ってくれる」と書いてある。

私は、この“警句”を知ったとき、「これこそ、医療の本質である」とひざを打ったものである。そして、医療は医学と薬学と、、、、などと、学問で成立するものではなく、極論すれば、そんなものは、全体の半分でしかない・・・とすら感じのだった。

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おっと、話が、つまらない方向に進みそうなので、医療の話はやめにして、、、

そう、パンドラは、人間界の最初の女、、、それも、とびき“いい女”だから、せんずりを覚えた猿のごとく、エピメテウスは、パンドラにのめり込んだワケだ。それまで経験したことのない、絶頂感、陶酔感を味わったのだから。

プロメテウスは“先見の明”だから、“女に溺れる”ことを見抜いていたのだろう。事前にパンドラを“回避”したふしがあるからね。


現代人ではどうだろう?

私は、女に溺れるのをフィードフォワードして回避できる人を知らない。というか、熟慮を重ねても、回避は不可能だ。嵌るときは嵌まる。やってみなきゃわからない。「まず、行動してみよう」と、エピメテウスのような行為に走る。

これが、人間の神経(思考)回路が私にはフィードバックしか出来ないように見える所以である。

一回失敗しても、のど元過ぎれば熱さを忘れる。前回とは微妙に状況が違うから、今度は最悪の事態には陥らないだろう・・・・と、戦争すら繰り返す。


当然の帰結として、フィードバックしか出来ないエピメテウスに必要なのは“希望”というわけだ。

そして、コレさえあれば、最悪の事態も乗り越えられる。。。。


と、ここまで、書いてきて、ふと、思い出した。

絶対、女に溺れない方法があることを。その方法は、、、、


「空腹状態を維持すること」である。

つまり、、、

生理:食べ物が恋の滋養になるならば…

Nature 478, 7368 (Oct 2011)

求愛行動は時間とエネルギーの両面で大きなコストがかかる作業であるから、動物は求愛に入る前にまず、気のある相手を見つけたことを確かめておく必要がある。

こうした探索作業は、フェロモンによるコミュニケーションを介して行われることが多い。

今回R Bentonたちは、ショウジョウバエの雄が定型的な求愛行動に入る際には、十分な食物が近くにあることも必要なことを見いだした。

研究チームは、最近発見された化学刺激によって開閉するイオンチャネルファミリーに属するイオンチャネル型受容体84aが、果実由来の芳香族化合物の感知と、定型的な求愛行動を制御するフェロモン感知ニューロン経路のゲート開閉の両方に重要であることを突き止めた。

嗅覚回路とフェロモン回路とのこのようなクロストークは、生殖行動と良好な採餌場所および産卵場所とを結びつける、従来知られていなかった進化的機構である。

Letters to Nature p.236
News and Views p.190


昆虫と人間の行動原理が同じはずが無いのはわかってはいるけど、、、これくらいしか、私には思いつかない。

でも、空腹はいずれは癒される。そうすりゃ、、、、、


「太陽がまぶしかったから人を殺した」で有名なカミュは、その後の「シジフォスの神話」の中で解説をしているのだが、、、、「異邦人」の発表直後、日本でも、文壇を二分してカンカンガクカクがあったらしい。そして、「シジフォスの神話」で決着を見る?のだが、、、、

シジフォスはゼウスから無間地獄で罰を与えられている神の一人で、その罰は、、、とりあえず省略するけど、傍目には、無意味な言いつけを延々と繰り返すというものだ。

カミュは、『これが人間が置かれた現実でもある。理性的に考えれば無意味なことを、シジフォスと同じように人間は生きるために必死でやらなければならないのだ。人間が生きているこの世界は実は、こうした不条理なものに満ちている』と。だから『太陽がまぶしくて人を殺すこともありうる』のだと。


ただ、シジフォスが、先見の明も持たず、ゼウスを怒らせるくらいのヤツなんだから、この“無意味な行為”のなかに、何かしらの“希望”を見出したのかもしれない。こういう解釈も可能だ。


そういう意味でも、医療と似ている・・・・・。こりゃまた失礼しました。

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October 07, 2011

乱交雑な娘たち

20111007_rosie_huntingtonwhiteleyなるほどぉ~~~~、、、、ということは、淫乱な女性の先祖は、近交系・・・・?

ところで、どこの国のどの文化・習慣でも、女性が“複数の男と交わる”事を“善し”とすることはないだろう。イスラムの世界じゃ、既婚女性は、ほかの男に顔すら見せられないし。

逆に考えると、もともと、淫乱な女性がいなければ、貞操観念なんてものはこの世に登場しなかったわけで、、、、しかし、実際には登場した。ということは、人類は、一回(もしくは複数回)、進化の過程で、個体数の激減を経験した。。。。。?

それ故、女性は、生物学的適応により、多数の男性と性交渉することになった。。。

Promiscuous Sisters

Science September 23 2011, Vol.333

比較的数少ない個体によって創始された集団においては、スタート時の遺伝子の種類が少いというボトルネック効果により遺伝的多様性の低下と同系交配がもたらされる。

メスが有害な近親交配の影響を避ける一つの方法は、より多くのオスとの交配により彼らの子孫に遺伝的多様性を増やすことである。

Michalczykたち(p. 1739)は、ボトルネック後の単一のオスと交配したカブトムシ(red flour beetles)と複数のオスと交配したカブトムシの適応度を調べ、そしてより多くのオスと交配したメスのほうが単一のオスと交配したメスよりもより高い適応度を示すことを見出した。

更に、10匹のオスに近づけさせた時に、近交系のメスの方が非-近交系のメスより多くのオスと交配し、そして交尾により多くの時間を費やした。

このように殆どの種において、近親交配によりメスの乱交雑が促進されると説明できるであろう。

Inbreeding Promotes Female Promiscuity
p. 1739


淫乱といっていいのかどうかわかんないけど、ギリシャ神話のアフロディーテは、いろんな男神と交わっている。ヘパイストスと夫婦の関係にありながら、どうどうとアレスとベッドを共にしたりして、(おかげで、素っ裸のまま、ベッドに貼りつくことになるわけだが・・・・)、神だけじゃなくって、美少年にも目が無いし。

でも、アフロディーテが“悪者”扱いされているフシはない。

そんなこといったら、男(神、ゼウス)だって、ひどいもんだ。神話の世界の名の通った“勇者”たちの父親(であり、同時に曽祖父であったり)だし。。。。でも、ゼウスと交わった女性が、淫乱だったわけじゃなく、ほとんどが、その逆だったり、騙されたり、、、、、アルテミスなんぞ、男との関係は“フケツ”ってな感じだし、、、基本的に、神話の世界の女性の淫乱は、アフロディーテ以外にはいないみたい(絶世の美女、ヘレネだって、淫乱ってわけじゃないし)。っていうか、そういう道徳的な視点がない。


近交系が“淫乱な女性を産む”素地だとしたら、オリンポス12神をはじめとする神々は、近交系以外の何者でもない。近親相姦から始まってるんだから。

なのに、女神たちは、淫乱な素振りは見せない・・・・・・。


---あっ、人間じゃねぇんだ!神々はっ!---

って話はおいといて、、、


今の今まで、淫乱って概念は、貞操観との対比で生まれたもんだ・・・・って、俺は思ってたんだけど、もしかしたら、貞操観は、独自の発展を遂げたのかもしれない・・・・。

というのは、オデュッセイアでは、ペネロペイアっていう、“主婦の鑑”みたいで、なおかつ超とびきり“いい女”ってのがが登場するんだけど、、、、現代人の目で見れば、“身持ちが硬い”わけなのだが。でも、、、当時の人に“貞操観念”があって、そうしていたかどうか・・・・・。

身持ちの硬いことが、“生きるうえで利益がある”なら、そうしただろうってこと。

“複数の男と交わること”に利益のあるのは、人間以外の生物では当たり前のこと。でも、例外もあり、“一夫一婦制”を頑なに守る種もいる。

「貞操観があるのか?」なんて、そういう“評価”は、人間様の勝手であり、当の動物たちは、「ああ、そうですか。私たちには貞操観念があるんですか」って感じなんじゃないのかな。

ペネロペイアの行動は、「貞操観がありすばらしい」ではなく、ホントは「ペネロペイアみたいにモテモテになりたいから、まねをした」ってのが、実情で、行動だけが一人歩きし、“貞操観”に発展したんじゃないのかと。。。。。

男の側では、自分の種じゃない仔は殺す本能があるわけで、この行動様式と合致した。


というわけで、ヨーロッパで“貞操帯”なんて女性の装身具が登場したあたりから、発達した心理なのかもしれない。これは、キリスト教と関係が深いかもしれないから、これ以上は突っ込まないほうが“吉”とみた。

(貞操帯には、ヴィーナス帯の別名があるのが、興味深いですね。ヴィーナスはアフロディーテのローマ名)


というわけで、Science 誌9月号の論文から、いろいろと思考が飛んでしまいした。

精子と卵子の結合(Sperm-Egg Binding)

Science September 23 2011, Vol.333

ヒトの受精は、精子が、透明帯として知られる卵子の外側の覆いに結合すると開始される。

シアリル-ルイス(Sialyl-Lewisx)はセレクチンにとって普遍的な炭水化物リガンドであるが、このセレクチンは、刺激された内皮への免疫細胞と炎症細胞の結合を仲介する細胞接着タンパク質のファーミリーである。

Pangたちは、未受精のヒト卵母細胞を単離し、超高感度の質量分析を用いて、ヒトの透明帯に付着した化学物質を同定した(p. 1761、8月18日号電子版; またWassarmanによる展望記事参照のこと) 。

シアリル-ルイスxが透明帯上に豊富に発現し、精子の卵への結合を仲介していた。

Human Sperm Binding Is Mediated by the Sialyl-Lewisx Oligosaccharide on the Zona Pellucida
p. 1761


ところで、今週は、もう一本、興味深いのがあったよ!

コレなら、あの薬が、アレに使えるじゃん?? 投与方法は腟内で、、、そう、避妊薬に使えそうじゃん、タミフル。

で、タミフルを保険適応外に使って、、、淫乱しまくる・・・・・。


ペネロペイアの時代でも、「精子と卵子」なんて知らなくても、男と交わらないと妊娠しない位のことは知ってただろうから、ペネロペイアに「インフルエンザの薬だよ」ってタミフルをプレゼントして、もひとつ“知恵”も授けたら、現代の“貞操観”“貞淑”なんて言葉は、意味が違ったものになってたかも。

あっ!別にタミフルじゃなくってもいいんだけどね。

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September 30, 2011

コケティッシュは女の性?

20110930_grancabrio女性は自分に恋している男に対して、その愛を受け入れるつもりはサラサラないくせに、それでも、なお、なにほどかの媚態を示すものである。そこに女の本質的なコケットリィがある。


先日、某メーカーMRが遊びにやってきた(仕事しに来たのかもしれないけど)。ゴルフの話から、結婚の話になり、「君はどうなの?」と。
「いや、別れたばっかりなんですよ」と。
だから、今、合コンしまくってます、と。

「それはいい、どんどん、遊ばなくっちゃ」と、俺。
ついでに、“おねいちゃん”がいるお店にも、せっせと通ったほうがいいな。彼女がいたんじゃ、いけないから、今がチャンスだぞ、と。

でもって、若いうち(彼は26歳)に色々勉強しておくことが肝要だぞ、と。

思い起こせば、俺もかなり、痛い目に・・・・。

ほんと、女性は“男を騙す”つもりもなく、自然に、態度に出るんでしょうね。自分を利口だと思っている男は、「あいつは騙されているだけだけど、俺は違う」なんてね。結局、馬鹿なんだけど。

で、しばらくして、、、、、答えは出る。。。。


話は、前後して、ちょっと前に、「女にモテたいならこんなクルマに乗るな!」なんてことを女性目線で書いたブログがあって、その内容に、世の男どもから“反論”を頂いちゃって・・・・なんて調子の、「女にモテたいならこんなクルマに乗れ! 【女子のホンネ5車種】」って記事を目にした。そのブログを書いた女性は、男は勘違い馬鹿が多くて、、、、なんて書いてて、今度は、「じゃ、指南しよう」「デートに最適の車」なんてのを書いていたのだ。

「デートに最適の車」の方は、あんまり記憶に残ってないんだけど、「デートに禁忌の車」の方には【オープンカー】が筆頭に上がっていて、かなり、違和感を覚えた。


と、その時、ちょうど、俺に会いに来た25歳の女性がいたので(仕事しに来ただけかもしれないけど)、彼女を俺の机まで呼んで、「コレ、どうおもう?」と。

「えぇ~、私、オープンカー、好きですぅ」
「だよねぇ~」と俺。

「何を聞かれるのかと思って、緊張して損しちゃいました」と、コレットリィを示しちゃったりして。。。。

---ドキン---

「こんな車で、特別な日に、迎えに来てもらったらぁ、うれしいですぅ~」なんて。

・・・・
「(オイオイ、それは、俺にオープンカーを買って、迎えに来てってことかぁ?)」なんて、若い頃だったら、思いっきり勘違いしたんだろうなぁ・・・・「(それにしても、特別な日ってなんだろう???)」

ちなみに、BMWのZ4が欲しい今日この頃・・・。この選択は、女性に受けるのだろうか?と、心のどこかで気にしてた俺・・・・馬鹿だねぇ。


さてさて、このように、どうして、女性は無意識に“媚態”を示すんだろう?

結論を得られるほどの人生経験はないけれど、進化論から考えれば、メスの行動様式としては、納得がいく。数多くのオスに求愛される機会が多いほど、自分の遺伝子を残せるからだ。


とすると、「デートに禁忌の車」を書いた女性は、本来、女性らしからぬ・・・・。

男に反感を買うような記述は、女性の本能からして、おかしい。「ミニバンは問題外」ってのには、激しく同意するんだけど、これすら、男性的。


コイツ、女を装った男なんじゃねぇの??


なんて、思ったりしたんだけど、最近の世の中、男勝りの女性も多々いらっしゃるので・・・・・よく、わかんないね。

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